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 昨日の用事は宴会でした(笑)。
 宴席は、午後9時ごろにひとまず終了した。店は常滑駅の南東の丘陵にある。歩けば20分くらいかかるかなぁ。午後から雪が降り積もっていたので、もう少しかかるのかもしれない。来るとき、ワシャらはタクシーを使ったのでよくわからない。別行動だった先輩は歩いて来たようだけど、とても聞けなかった。
 帰路は、居酒屋の社長が送ってくれるという。雪は夕方から強くなり車道まで白くなりつつある。フロントガラスの雪が凍りついて視界もままならない。そんな状態で駅まで向かう。丘陵から海沿いの平地に降りていく長い下り坂が怖〜い。
 駅にば無事についた。だが名古屋方面の電車は出たばかりであった。次は20分も待たなければならない。それがまた雪の影響で10分ほど遅れた。ホームは猛吹雪である。ここは八甲田山か!
 最悪を想定し「常滑で泊まるか」という話も出た。しかし名古屋から参加していたメンバーがすでにホテル泊を検討していて、空ホテルをさがしたがどこも一杯だったという。「じゃぁマンガ喫茶で夜明かしといくか」という話も冗談ではなく交わされていた。それほど常滑のホーム上の吹雪は生半可ではなかった。
 それでもすし詰めの電車がやってきて、なんとかかんとか乗り込んだ。30分程揺られて、ようやく金山までたどり着く(ふう)。名鉄のホームから見るとJRの快速が東に向かって発車していく。とりあえずJRは動いている。
 ターミナル駅は混雑していた。名鉄本線は雪で不通になっている。このためJRに移動する乗客が多いからだろう。名鉄で帰ろうとしていた仲間もJRに切り替えた。JR本線は50分遅れながら動いていた。この大雪である。JRだっていつ止まるか判ったものではない。階段を上りつつ、仲間を急かした。ダイヤが狂っている。なにが起こるかわからない。仲間を急かしてコンコースを走った。やはりすぐに普通の電車が入ってきていた。ワシャらが階段を下りている最中、すでに乗降客が途絶え、今しもドアが閉まりそうだ。そこに元ラグビー部が突っ込んでいった。その後にメンバーも続き、なんとかドアからなだれ込んだ。セーフだった。やはり満員の電車に揺られて各駅停車は東へと走る。
 ワシャらがわが町の駅頭に立った時、時刻は11時を回っていた。居酒屋を出てから2時間以上もかかったのかよ〜。でも、途中泊も考えていただけに、まあよかった。
 改札を出て、自由通路の階段を下りると、北側の駅裏のロータリーは深雪に埋まっている。「着いた」という喜びより、これから自宅まで雪中行軍をしなければならない憂鬱のほうが先に立つ。もう常滑で飲んだ酒はすっかり冷めている。まぁ常滑のホームの吹雪ですでにそうだったけどね。
 帰路、自転車を押しながら真っ白の歩道に足跡を点けていく。キュッキュッという雪を踏みしめる音が楽しい。なんだかスキーに凝って山に通っていた頃のことを思い出す。雪も小降りになっていたので趣のある雪道散歩になった。

 雪は少し降っている。住宅街を抜ける遊歩道を歩いているのだが、そこから見渡す限り雪景色である。吹雪の深夜に外出する人もいないのだろう。銀世界で音を立てているのはワシャばかりである。雪が音を吸収するというは本当なんですね。まったく靴音と自転車のわずかな軋み以外の音が存在しないのだ。雪はしんしんと降ってはいる。でもそれは擬態語であって音ではない。
 道も明るかった。遊歩道には街路灯があったが、そこから脇に逸れ住宅街に入ると真っ暗になる。午後10時頃までは、あちこちの住宅の窓に灯りが点いているのだが、さすがに深夜であるし、大雪警報で雨戸も締めてある。状況としては真っ暗なのだが、雪明かりで路や家々の輪郭は手に取るように鮮明だった。
 家に着いて人心地がついたと思えば深夜0時を過ぎていた。家の北側にある洗面所で歯磨きをしていると、やっぱり窓の外が明るい。そしてサッシュの桟に白い雪が線になってひっそりと積もっていた。今夜あたりが、小泉八雲の「雪おんな」の読み時かなぁ。

 今届いたコラムニストの勝谷誠彦さんのメールを読んで、笑って怒った。
《こういう話題は、キーボードが汚れる》と前置きをしながらも情報提供をしてくれたので、あわてて朝日新聞の朝刊をみた。今朝の「天声人語」である。
「なんじゃこりゃー!」
てなもんですわ。まったく読む必要はありません。子供の短歌が並べてあって、それにちょちょちょいとコメントを付けているだけなんですから。
 600字のコラム(とは呼べる代物ではない)の内、283文字が短歌を引いて終わる。55文字はその子供たちの名前。その短歌の出どころの「現代学生百人一首」の紹介で54字。つまり自分の意見でもなんでもないもので65%の文字を費やしてしまった。短歌を紹介したいのなら短歌のコーナーでしろよ。看板(笑)コラムで余分なことをするんじゃない。
 寸鉄人を刺す、これがコラムの使命ではないのか。天野祐吉さんのコラム「CM天気図」にはそういうものがあったし、味も風合いも季節も織り込まれていた。日垣隆さんの「敢闘言」も秀逸だったし、勝谷誠彦さんの「ニュースバカ一代」もおもしろかった。朝日新聞にだってかつては名コラムニストが存在した。もう少し現役は勉強しろよ、努力しろよ、誇りをもてよ。こんなボケコラムというか、小手先の穴埋め文で金をとってんじゃねえよ!