彼岸花と熊

 台風から秋雨前線とうっとうしい日々が続いていた。そんな中で昨日は青空がのぞいた。久しぶりに流星号で市内を走ってみると、あちこちに彼岸花が満開だった。
 何年か前に、地元の有志で、半田の矢勝川の彼岸花を移植した。「南吉の彼岸花」をである。見に行ってみると今年も元気に咲いていた。
 サイクリングロードの植え込みには、点々と赤や白の彼岸花があった。それを探し出すだけでも楽しい。
 家の近くに禅寺があるのだけれど、その周囲にも彼岸花が開いていた。
「つきぬけて 天上の紺 曼珠沙華
 山口誓子の句である。
 昨日は雲も多く、天は突き抜けてまではいっていなかったが、それでも垣間見える青空の下で彼岸花が赤く白く揺れていた。

 豪栄道の全勝Vはなにしろめでたい。十四日に優勝が決まって、十五日は気が抜けるかと思いきや大関琴奨菊を寄り切った。遠藤も13勝目を挙げて、技能賞に花を添える。惜しいのは高安だった。前頭5枚目の碧山など高安の今の勢いなら圧倒できると思ったのだが、最後の3日間連敗をしてしまった。大関昇進も難しいかなか。
 ワシャはね、高安のどこがいけないということではないと思っている。体もいい、人柄もいい、唯一挙げるとするなら、名前かなぁ。「高安」は本名だが「高い安い」じゃぁねぇ。ここらで田子浦親方、いい四股名をつけてやってくだされ。
「熊の山」「熊の川」「熊が岳」「熊の海」「熊の富士」「熊の灘」といくらでも強そうなのがある。「琴奨菊」とか「稀勢の里」とか軟弱そうなのはいけない。高安の四股名に「熊」でこだわったのは、高安がいかにもぬいぐるみの熊に似ていたからである。
「大熊」もいいな。大熊五郎って強そうじゃないですか。