未明に目が覚めた。枕元にあったペットボトルから水を飲み、用足しをしてまた布団にもぐり込んだ。いつもならこれで目が覚めてしまうはずなのだが、今朝はまた寝てしまった。
 夢を見た。
 ミゼットのような車に乗っていた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8F%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%BC%E3%83%83%E3%83%88#/media/File:1961_Daihatsu_Midget_DSA_(2012-05-26).jpg
 上の写真の屋根を外し、荷台との仕切りを取ったようなものを想像してください。それに一人で乗っているんですね。最初は河川の堤防の道を走っていたんですよ。風景は矢作川の河口付近だったかなぁ。それが突然、宍道湖のような景色になった。まぁ夢だから展開が突然だ。そこからミゼットは湖面に向かって突っ込んでいった。水しぶきが立つがワシャは濡れない。夢ですな。湖面をミゼットが快適に走っている。よく見るとミゼットの先端にスクリューがある。それが回転してミゼットを推進している。湖底は浅い。砂地のようなところと、そこから突きだした岩礁のような場所もある。ワシャは岩礁接触しないようにミゼットのハンドルを切る。
 弧を描いて湖の淵を回りこむ。気持ちいい〜!ワシャのミゼットは180度の方向を変える。傾いたミゼットを建て直すと、おおお、行くはるか先に鮮やかな朱に施された社殿が見える。東京赤坂の日枝神社だとすぐに解った。なぜ解るかって?そりゃぁワルシャワの脳味噌の単純なところで、夕べの「アド街ック天国」で赤坂を取り上げていて、何度も日枝神社の社殿を見ていたからです。それがそのまま夢で再現されたということ。柱の丹が鮮やかに見えたから、夢はカラーだった。
 ミゼットは湖面を走っている。前方はるかに社殿がある。ところが途中に太鼓の石橋が立ちはだかっている。太鼓だから橋が湖面から中央が突き出ている。おいおいこのままでは激突しますがな。避けるという判断は思いつかなかった。「ワー!」と叫びながら橋に突っ込む。大破かと思いきや、ミゼットにはタイヤが付いていた。それも小さなタイヤが前輪に3つ、後輪に3つ、合計12輪が石橋を捉えて、難なく渡り終えた。夢ですな。
 タイヤを見ている間に日枝神社は霧消し、どこかの高校の校舎のすみに辿りつて、そこでワシャはミゼットの充電を始めた。
「おおお、この車は電気自動車だったのか」
 驚いたのは、もちろん夢から覚めてからのことで、夢の最中にはごく当然のように充電器に接続したものである。
 そこに同僚のノビタくんが通りかかって、二言三言会話を交わしたのだが、すでに起きてから時間が経っているので、そのあたりはとろとろと溶けてしまって忘れたのじゃ。「先輩はすぐに新しいものに飛びつくんだから〜」とかなんとか言われたような気がする。
それからワシャはまたミゼットを抱えて(夢だから抱えられるんですね)小さな用水沿いを歩いていた。ここから水面に入ろうというわけだ。水は澄んでいる。川底の流れる濃い緑の藻がはっきりと見える。今、考えてみれば、あの透明度は忍野八海のイメージが起きている。
 その水辺をうろうろしていて目が覚めた。もうすっかり周囲は明るくなっている。でも、夢を見ていたのは1時間ほどのことだった。