八重の桜

『366日誕生花の本』(日本ヴォーグ社)を見ると、ワシャの誕生花は「八重桜」なのだ。花言葉は「しとやか」、森光子やキャンディス・バーゲンも同じ八重桜であるが、ご両所、おしとやかかなぁ。
 八重桜で有名なのは、京都御所サトザクラ平安神宮のベニシダレ。でもね、八重桜というのは正式な名称ではない。サトザクラのほうが正式な名前で、その中で、八重咲の品種を総称してヤエザクラと呼ぶ。これね。
http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%83%A4%E3%82%A8%E3%82%B6%E3%82%AF%E3%83%A9

 平成25年のNHK大河ドラマ同志社大学創始者新島襄の妻の八重を主人公にしている。公式ウェブサイトはこちら。
http://www9.nhk.or.jp/yaenosakura/
 上記のウェブサイトで散っている桜はヤエザクラではない。だから「八重の桜」は「八重桜」を指すのではなく「八重の桜(ソメイヨシノ)」ということなのだろう。
 NHK出版の出している『NHK大河ドラマ・ストーリー 八重の桜前編』を見てみる。表紙は、中紅色の地に大ぶりの五弁の桜をあしらった筒袖場織姿の綾瀬はるかである。このデザイン化された桜は八重桜ではない。

 ワシャは今年の2月に福島に行った。3.11からほぼ1年の福島の状況を見ておきたかったのと、どうせ金を使うのなら福島県でと思い立ち、友人たちと飲みに出かけた。その時に会津若松にも立ち寄り、雪の鶴ヶ城と対面することができた。いやー、きれいなお城ですこと。白漆喰の徳川様式の城の屋根に綿帽子を乗せると、白無垢の花嫁のような清らかさである。
http://image.search.yahoo.co.jp/search?p=%E9%B6%B4%E3%83%B6%E5%9F%8E%E3%80%80%E9%9B%AA&aq=-1&oq=&ei=UTF-8#mode%3Ddetail%26index%3D13%26st%3D361
 綿帽子をとって裾に花をあしらうと、
http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E9%B6%B4%E3%83%B6%E5%9F%8E+%E6%A1%9C
 どうです。大奥の気品高き上臈といった風情ではありませんか。
主人公の山本八重は戊辰の戦いでこの城にこもって官軍と戦う。それならばヤエザクラをとも思うのだが、残念ながら裾模様のおおかたはソメイヨシノだった。

 会津若松白虎町に「太郎庵」という和菓子屋がある。そこで今年の6月から「八重の夢」なるやわらかチョコクッキーが発売される。これです。
http://taroan.co.jp/shopping/products/detail.php?product_id=267
 その画面に写真があるでしょ。それを拡大してパッケージのデザインを見てもらいたい。髪の長い少女の胸元に桜の花があしらってあって、これがヤエザクラなのである。でも、クッキーのほうは五弁の桜で、ソメイヨシノとヤエザクラがごっちゃになっているという印象ですが、ま、どっちでもいいか(笑)。

 ワシャは、戊辰の役を薩長側が一歩的に仕掛けた理不尽な戦争だと思っている。とくに長岡戦争は、無能な司令官により引き起こされたしなくてもよい戦(いくさ)だったし、会津戦争は、完璧に維新の生贄として見せしめの殲滅戦となった。
 こういった一方的な理不尽な戦いに、ワシャは泪するのである。その中で必死に生を全うしようとする健気な人々に感動するのである。1月6日(日)からスタートするらしい。初っ端のシーンが会津戦争で活躍する八重(綾瀬はるか)の場面だ。見逃さないように録画しておこうっと。