連休は読書

 時間があれば古本屋を巡っている。古本屋と言っても三河あたりでは、本来の古本屋は絶滅危惧種になっており、中古本を漁ろうと思えば「ブックオフ」にいくしかない。神保町のように古書を扱っている店舗は、名古屋まで足を延ばさなければありません。
 ブックオフしかないから淋しいかぎりですが、それでも2000年代の頃は、値の付け方が甘く、けっこう貴重な古書が「100円均一」に並んでいた。最近はそのあたりの基準が整備されたのだろう。掘り出し物はほとんどなくなった。本の揃えも、各店舗で平準化されており、どこの店を見ても似たような感じになっている。10年くらい前は、数店舗の「ブックオフ」を回ると後部座席は書籍で満タンになったものだが、最近は同じルートをたどっても15冊もたまっているかどうか。このところは本よりもCDのほうが数が増えてきた。クラシックのいいのを拾い集めている。
 この間、108円でみつけた本に『月報合本』というのがあった。筑摩書房の『日本文学全集』の中に折りこまれている「月報」69編を集積したものである。資料的な価値はあるだろうと買ったのだけれど、目次もなければ索引もない。ただ単に集めて綴っただけという不親切さが気にいった。でもね、パラパラと繰っていると、前進座中村翫右衛門、映画監督の衣笠貞之助、『日本百名山』の深田久弥などが、顔を見せてくれる。もちろん武者小路実篤遠藤周作阿川弘之などの作家諸氏はあまた登場してくるので飽きない。108円分は楽しめた。

 今朝の朝日新聞社会面。「平和 9条のおかげ」と題された記事を読んで笑った。一昨日、読んでいた百田尚樹『カエルの楽園』そのままだからだ。ウシガエルの襲来に「話し合えばわかるのだ」と言っていて滅ぼされたツチガエルのことを思い出した。