狐塚

 ちょいと気晴らしに豊川へ行ってきた。豊川稲荷に参拝したのじゃ。豊川稲荷、元はというか、現在でも、千手観音をご本尊とする豊川閣妙厳寺(とよかわかくみょうごんじ)が主なのである。千手観音の天の一人が吒枳尼天(だきにてん)で、この天が稲荷となった。庇を貸して母屋を取られるではないが、今では、千手観音より吒枳尼天のほうが有名になってしまって、参拝客が引きも切らないということになっている。昨日は、残念ながら雨天だったが、それでもぬかるみを避けながら手を合わせてきましたぞ。
 稲荷社の右手奥に入っていくと、鬱蒼とした杉林になる。その林間に霊菰塚という場所がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%8A%E5%B7%9D%E7%A8%B2%E8%8D%B7#/media/File:Toyokawa_Inari_-03.jpg
 ここが知る人ぞ知るパワースポットで、とくに曇天時にはなにか起きそうな場所だった。そうそう昨日も狐の間を移動する女性が、ある場所で消えてしまったのだ。目をこすっていると、不思議や不思議、また、どこからともなく現われたのである。たまたま死角に入ってしまっただけかもしれないが、いいや、そんなことはない。たしかに傘をさした女性は一瞬だが消えた。
 狐塚にお参りをして、また参道のほうに戻ってきた。そうするとこれまた不思議なことに本殿の上のあたりにお日様が見え、境内全体に光が射したのである。小雨は降っている。「日照雨(そばえ)」だった。
 別名「狐の嫁入り」ともいう。いやーなんとも素敵な豊川参りになったわい。