ちょっとしたラッキー

 昨日は夕方から急に冷え込んできた。仕事上でごたごたがあって社を出るのが遅くなった。社屋を出たとたん、北の風が吹き付けて、こりゃたまらない。日中が暖かだっただけに細い体に堪えますぞ。
 こういう夜はさっさと家に帰って「あったかい〜んだから〜」と湯船につかりたい……と思っていたんですよ。でもね、帰路に「BOOKOFF」があって、なぜか夕べはワシャを呼ぶんですな。このところ1カ月くらいは顔を出していなかったので、15分だけ立ち寄ることにする。
 本の並ぶ空間で15分なんてあっという間である。でもね新書をざっと確認して、文庫のコーナーに移って、『西郷南洲遺訓』(岩波文庫)、ハードカバーの「政治」のところで山際澄夫安倍晋三物語』(恒文社)を見つけた。それでもう12〜3分が過ぎていた。先月の読書会の課題図書『代表的日本人』(岩波文庫)に西郷隆盛の章があって、それが切っ掛けで『西郷南洲遺訓』が読みたかったところだ。『安倍晋三物語』は、平成15年の出版であるから、第1次安倍政権の前に書かれている。山際さんがのちの安倍首相にどんな見込みを立てているのか、面白そうだったので買った。「まぁ今日はこれでいいや」と思ってレジに向かおうとすると、おっと、後ろ髪を引くものがあるではないか。
 残り制限時間は1分しかない。もう一度「政治」の棚を眺めると、『猪瀬直樹著作集1』(小学館)があった。ここでピーンときた。手に取って表紙をめくってみると、おお、墨痕鮮やかな猪瀬さんのサインと「直」の朱印が押してあるではあ〜りませんか。ラッキー。
 15分きっかりにレジで精算を済ませ、また寒風吹きすさぶ自転車道流星号と走っていくのだった。