学歴への疑問

『WiLL』の2月号で渡部昇一さんがこんなことを言っている。要約する。

 財務省増税派からすれば、野党さえ賛成しているこの状況の時に「消費税を10%に上げる」のは当りまえだった。しかし安倍首相は、10%増税を延期して国民の信を問うた。このために安倍首相は国民から安定政権を付託され、また4年の任期を得た。なぜ安倍さんはこのような発想を持ち得たのか。それは安倍首相がいわゆる学歴主義ではない能力を培ってきた政治家だからだ。

 というようなことを言っておられる。
 とは言え、東京大学はなまなかな記憶力で入れるところではない。偏差値から言えば、安倍首相が卒業された成蹊大学より上位にある。しかし宰相としての力量、政治家としての器の大きさを見せているのは成蹊大学卒の安倍さんであることは論を俟たない。そういったものは受験勉強では身につかないし、偏差値では量れないものなのである。
 現実を見ても、おそらく今の時点で安倍首相を抜く宰相としての力量をもった人物はいまい。今度、衆議院議長になる町村さんだって、自民党幹事長の谷垣さんだって東大卒なんだけど、どうでしょう。宰相として仰ぐには町村、谷垣のご両所では少しもの足りないと思いませんか。
そうそう三代前の首相だった鳩山由紀夫さんも東大卒である。しかしその出来の悪さはご案内のとおりで、沖縄の問題をここまでこじれさせたのは日本で最高の学歴を持つ時の宰相鳩山さんだった。「学歴(優等生)=頭のよさ」ではないことを鳩山さんは図らずも証明してくれた格好だ。
 そうそう鳩山さん、最近、FBでこんなことを言っている。
民主党の代表選挙が報道されていますが、安保政策において「現実的平和主義」を謳い、普天間の県外移設について、「理想として非常に崇高だったかもしれないが、現実的でないことを打ち出して国民に心配をかけた」とする考えがあるようです。
 私がこの問題で結果的に沖縄県民に迷惑をかけたことは事実ですが、現実的でないことを打ち出したのではありません。国益は国民の理解によって形成されるものでしょう。非現実的だとし民意を無視することは、現政権と同じく県内移設を容認することになり、民主党の名が泣きます。》
 鳩山さん、まだ現実が理解できていない。学歴はよかろうとも、頭の悪い典型と言っていい。
以前に元高知県知事の橋本大二郎氏にお会いしたとき、「鳩山さん、いい人なんだけどね」と苦笑しておられたのを思い出した。