大脱走

 昨日、仕事で横浜に出張していた。仕事はまずまず。手前味噌で申し訳ないが、あるプレゼンを仕掛け、これが好評だった。シメシメ。
 仕事を終えての帰り道、パシフィコ横浜で古本フェアに出くわしてしまった。なんたる偶然(笑)。
 そこで、すごいお宝を見つけた。数日前に話題にしていた映画「大脱走」の初版パンフレットである。グッドタイミングと言おうか……値段は言えません、ちょいと高かった。でも、「大脱走」が大好きなので、思い切って買うことにした。
 パンフレットの表紙である。1960年代の映画の手書き看板のような絵。ここで少し下にスクロールしていただくとあります。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1133955851
 映画は1963年の製作である。主役はスティーブ・マックィーン。もちろん公開時に観たわけではなく、中学生の時にリバイバル上映でマックィーンに初お目見えした。格好よかったなぁ。アメリカの空軍大尉のヒルツがマックィーンの役どころで、これがタフな男だった。あちこちの収容所で何度も脱走を試み、その度に独房(クーラー)に収容されるという経歴の持ち主だった。独房はきつい。狭い空間に長期間閉じ込められるのは強いストレスを感じるだろう。しかし、ヒルツはグローブとボールを持ちこんで、壁キャッチボールをして気分を紛らせ、毎回の懲罰に耐えきるのである。
 そもそもそんなものを独房に持ち込ませるだろうか?という疑問はあるが、そのあたりはマックィーンの明るさに免じてご容赦いただきたい。
 スターに憧れた中学生は、放課になると「大脱走ごっこ」をしたものである。学校の便所の個室をクーラーと呼んで、なにかミスをすると「クーラー行き」を宣告され、宣告を受けると、どんな状況でも大脱走のマーチを口ずさみながら便所に直行しなければならない。ヒルツになりきっているのである。幼稚なことをして喜んでいたんですね(笑)。
 あのころはヒルツになれると思ったけれど、調子のいいところはヒルツかもしれないが、タフさは真似できなかったようだ。
 半世紀も前に頒布された24ページばかりのパンフレットを繰っていると、そんなことも想い出され、またいろいろなことも考えさせられる。5000円なら安い買い物だったか。あ、言っちゃった。