荒俣さんの本はおもしろい

 新聞に広告の載っていた佐高信さんの『民主主義の敵は安倍晋三』(七つ森書館)は買わない。でもね、同じく朝日新聞に紹介されいた荒俣宏さんの『喰らう読書術』(ワニブックス「PLUS」新書120)は速攻で購入した。
 もちろん内容の差は歴然としている。『喰らう読書術』は読みごたえがあっておもしろかった。荒俣さんの読書論を少し引く。
《ここがいちばん、読者のみなさんいは気にかかるところでしょうが、そんなに毎日読書をして、お前はいったいどんな偉い人間になったのだ、という疑問が残りますね。正直に、はっきり申します。聖人にも、悪人にも、偉い物識りにも、なれません。ただ一つ、メリットといえば、人生に退屈せずに済んだことです。》
 荒俣さんが只者ではないことは万人の認めるところではあるが、まいいや。その方が「人生に退屈せずに済んだ」と言われているのだ。ワシャはそれをもって瞑すべきかもしれない。
 また荒俣さんは、本を身の回りに置く生活のノウハウを開陳している。
・本を読むという手間を惜しまない
・本棚には読まなくても本を並べる楽しみがある
・真の読者は、読むことに直接の利益を期待しないことである
 ううむ、積読が増殖しているワシャにとってはありがた〜いご託宣だなぁ。