いのち

 ワシャはいい年をして度胸がない。まず、活造り系が苦手だ。アジとかヒラメとか、魚がまだ活きていて身だけ刺し身になっているのがあるでしょ。絞めていないのでピクピクと動く。これがいけない。魚の命を玩んでいるようで、ちっとも美味くない。でも、手をつけざれば、それも魚の命に申し訳がないので手を合わせていただいている。

 ところが猫を平気で殺せる人間が存在する。今回の佐世保市の同級生殺人事件の加害者にしろ、神戸の酒鬼薔薇にしろ、少年たちは猫を平然と殺して解体をしていたという。
 怖くなかったのだろうか。とくに猫などは祟る動物だと思うのだが……。彼、彼女たちは、そんなことに頓着していない。虫を殺し、小動物を殺して、そして最終的には人間を殺したいと考える。人を殺すのにも躊躇した様子もない。おそらく思考の中のなにかが欠落しているのだろう。

 世の中にはワシャのようなビビリもいるが、ある一定量は、そういった命をなんとも思っていない輩が棲んでいることも事実だ。新潟県新発田市で女性を3人以上強姦殺人した男も、猫を殺していたと言われている。
 皆さんのまわりで、小動物がいなくなったり、殺されていたり、そんなことが起きていないだろうか。佐世保も神戸も新発田もコミュニティから孤立したところで、狂気の犯罪者は虎視眈々と獲物を狙っていた。今だって、そこいらじゅうに猫殺しはいるだろう。猫が殺され始めたら黄色信号と思ってご注意ください。