ゆるキャラの限界

 鳥取城跡のマスコットキャラクター「かつ江(渇え)さん」が話題になっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140711-00000099-mai-soci
 それにしても鳥取市教育委員会、センスなさすぎ。こんな着ぐるみをつくってどうしようというのか。そもそもマスコットキャラクターなんてものは、見ていてほのぼのとしたり、楽しくなったりするためのもので、なんで「飢餓に苦しむ女」などというネガティブなものを作成するのかがわからない。毎日新聞から引く。
《選考委員の市民団体副会長の男性(63)は「歴史を学ぶきっかけになるのに数日間に寄せられた意見だけで中止するのはいかがなものか」と話した。木下教育長は10日、毎日新聞の取材に「趣旨を理解してほしかった。選んだこと自体は間違っていなかった」と話した。鳥取大地域学部の小泉元宏准教授(芸術社会学)は「賛否があると思うが、見えなくするのは問題。不快であっても一つの表現。一方で、十分な議論の上で使用することになったのかは疑問だ」と指摘する。》
 3人とも行政サイドに偏った意見だね。「歴史を学ぶきっかけ」はこんなキャラに頼るのではなく「官兵衛」ブームにのって鳥取城攻防戦そのものをPRすればいい。「不快であっても一つの表現」と言うが、このキャラクターが悲惨な鳥取城の攻防戦を表現しているとは思えぬ。茶化しているとすら見える。
 2013年12月3日の日記
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20131203/
にも書いたけれど、猫も杓子もゆるキャラとばかりに、今やどこに行ってもわけのわからないキグルミだらけだ。
http://mainichi.jp/select/news/20140702k0000m020128000c.html
 とくに独立行政法人がひどい。製作理由があいまいなまま、一応は作ってはみたものの、職員は中に入るのを嫌がるので、年間稼働が5日だけというものもあるそうな。要するに作っただけ。
 ワシャの近所の自治体なんぞ、人口7万で17ものキャラクターが揃っている。おそらく全部のキャラクターを名前を言い当てる市民はいないだろう。市民にすら知られないキャラを立てることが行政としていいのかどうか。ワシャにはエネルギーの無駄使いのように思えて仕方がない。