長生きの秘けつ

 あ〜よく寝た。この感覚は久しぶりだな〜。二年ぶりかもしれない。今日は「週休一日」の唯一の休み(笑)なので、朝寝を決めこんだというわけ。
 周囲が明るくなってから夢を見ましたぞ。それが不思議な夢でね。ワシャが素っ裸で自転車に乗っているのじゃ。幹線道路を蹴ったくっていると、白い太った猫がワシャの自転車の前を横切るのだった。ワシャは自転車を停めて、その白い猫を抱え上げて膝に上にのっけた。その猫が人語を話すのである。猫と雑談を交わしながら、また走り回るのだった。なんのこっちゃ。
 夕べは仕事を終えてから名古屋に出て、某板付き――ワシャは、板に付いたものなら歌舞伎から蒲鉾まで好きなのじゃ――を鑑賞し、その後、金山で一杯(ホントに一杯)、呑み足りないので、地元に戻ってもう一軒という次第。その酒が利いたのか、板付きのテノールが脳に響いたのか、とてもリラックスした睡眠が取れたわい。

 
 今朝の朝日新聞「be on Saturday」に102歳で現役医師の日野原重明さんの文章が載っている。たまたま昨日、名古屋に行くJRで知人と乗り合わせたのだが、その人と5月に愛知県安城市で開催された日野原さんの講演会の話をしていたところだったので、「これで一本日記が書ける」と思ったわけですわ。
 読んでみれば、まさにドンピシャ。日野原さんの文章を引きますね。
《5月半ば、私は重要な学会に出席するため、イギリスを訪れました。日本代表として英語で挨拶し、午前、午後と続くセッションもこなし、ロンドン観光も楽しみました。帰りの飛行機内では、疲労困憊していました。》
 日野原さん、安城市に来た時に「明日、ロンドンに行く」と言っておられたのだ。日野原さんは、前日の午前中に安城市で1200人の講演会をこなし、午後、医療機関主催のやはり講演会をつとめ、夜、東京に帰って、翌日、ロンドンへと旅立つのである。そりゃ疲労困憊するだろう。しかし日野原さん、帰国した翌日も翌々日も講演会などに出席している。超人と言っていい。
 JRで一緒になった知人は、日野原さんと面識があって、この夏も信州で会うことになっているという。その人の話によれば「日野原さんはそもそも長寿のDNAを持っている人で、常人と一緒に考えてはいけない。日野原さんの言っていることをそのまま実践すれば常人は早死にするね」と言うことらしい。
 少なくともワシャよりも近いところで日野原さんを見ている人の言うことだからそんなものだろうと思った。
 5月21日の日記
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20140521
に宗教評論家のひろさちやさんの言を引いた。
《私は機会があるごとに、「日野原(重明)さんみたいな生き方はしようと思うな」と忠告しています。あえて暴論を吐けば、日野原さんのような生き方はもっと馬鹿にしたほうがいいと思います。年をとってから、どうしてあんなにも頑張らなければならないのか。各界で活躍している高齢者はできるだけ軽蔑したほうがいいというのが私の考えです。》
 そもそも「DNA」が違うので、常人はもっとマイペースで生きればいいと、ひろさんは言う。100歳を超えて、なぜ馬車馬のように日本全国、全世界を飛び回らなければいけないのだろう。
 結果として、日野原さんはロンドンから帰国後に発熱して、急きょ入院している。超人尚もて入院をせん。いわんや常人においてをや、ということなのである。

 ただ、日野原さんが講演で言っていた「長生きするのには肉体的にも精神的にも健全であるべきだ」というところには頷ける。日野原さんの書籍も、朝日新聞の記事でもそうなのだが、日野原さんは徹底的に「オプティミスト」なのである。
 入院して心臓に異常が発見され、車椅子の生活を余儀なくされることになったのだが、その後、数日で車椅子生活を受け入れてしまう。
「車椅子は私の健康をサポートしてくれる相棒」
「車椅子からの視点という新たなテーマを織り込める。講演に実感をもって語ることができる」
「人生の物語の新たなシーンを、頼れる相棒とともに歩んでいくつもりです」
 底抜けの前向きさでしょ(笑)。こうでなくっちゃ長生きはできない。プラス、生まれ持った長生きのDNAですかね。