ネタばれなし

 いやぁ~、東野圭吾『白鳥とコウモリ』(幻冬舎)を読むのに2日もかかってしまった。たかが520ページほどの小説なのに、ワシャの読書力も衰えたものじゃ。昔なら徹夜をしてでも読み切ったものだが、最近は23時をまわると眠くなってしまうんですね。

 さて、『白鳥とコウモリ』である。これは、ワシャの住む地域と東京の隅田川周辺で展開する。

 地名を列挙すれば、主人公の住んでいるところが愛知県安城市篠目町、最初の事件発生場所が東岡崎駅近くの雑居ビル、重要な脇役が住んでいたのが豊川、刑事が頻繁に足を運ぶのが、新幹線三河安城駅、名古屋駅豊橋駅、事件のキーとなる場所として常滑、その他にも豊田、大府、瀬戸、大須矢作川とかの活字を見ると、愛知県民にはたまりませんなぁ。とにかく主要な場所としては西三河周辺が圧倒的に多い。

 安城市篠目町などは、主人公の自宅がある場所だから、刑事が訪ねてきたり、息子が帰省したりと、何度も何度も登場する。交差点の具体的な名前まで出てきて、それこそワシャが毎日通っているようなところだったので、脳裏に風景がクリアに再現できる。これほど具体的な小説は珍しい。主人公の住居についても、曖昧に記載されていたが、ワシャはほとんど特定できてしまった。主人公の勤め先もデンソー安城工場生産技術部というところまで判りましたぞ。

 東岡崎にしても、駅前の飲み屋に足しげく通っていたので、雑居ビルもほとんど特定できる。常滑についても、ワシャは陶芸をしていたので「やきもの散歩道」などはホームグラウンドと言っていい。

 さらに、東京の舞台となっている門前仲町はかなり何度も行っていて詳しい街だし、墨田川テラスや事件現場の清須橋の袂など、どこも具体的な風景を思い浮かべられる。その他にも茅場町日本橋など馴染みのある地名が出てくる。

 東京のほうは措いておくとして、西三河の場所については、とにかく東野作品ですからね。間違いなく映画化かドラマ化をされる。と、なると安城市篠目町なんかはスポットが当たること間違いない。なにせ主人公が住んでいて、狂言回しの主人公の息子がかつて住んでいたところですからね。

 でね、主人公が60代後半の倉木達郎という人物なんだけど、読んでいるとだんだん役所広司のイメージが重なってくる。息子の和真は山田孝之かなぁ。それに足しげく三河安城に通う刑事が福山雅治あたりだったらどうします。三河安城安城市篠目町は『白鳥とコウモリ』の聖地になっちまいますぞ(呵々大笑)。

 安城市、急いで三河安城駅前に「白鳥」と「コウモリ」のブロンズ像を造らなければいけない。シティプロモーションとはスピード感が大切だ。四の五の言う前に、さっさとやったほうがいい。

 そして、市の執行部は、すぐにでも安城市にロケ現場を誘致するくらいの動きを起こさなければダメだ。遅いことは猫でもする。猫はしないか(笑)。とにかくネタがあるのだ。それを腐る前に使うこと、これが大切ですぞ。