明治の話

 聖路加国際病院の理事長の日野原重明さんのことである。西三河の田舎町にもこのところ立て続けに2度もお出でいただいた。そのたびに1200人のホールが満員御礼になる。みんな日野原さんが好きなんですね。みんな長生きをしたいんだね。
 残念ながら、ワシャはご尊顔を拝しには行かなかったが、矍鑠(かくしゃく)としておられそうだ。日野原さん、引く手あまたで、ワシャの町での講演会の後は、近隣の大病院でのフォーラムに出席されて帰京されたという。この10月で103歳になられる。パワフルで凄い。
 でも、なぜか日野原さんには違和感がある。熱烈なファンがいるし、実際に日野原さんに救われた方々も多いだろうから、あまり大きな声では言わないけれど、日野原さんしか話を聴くべき人はいないのだろうか。そう思っている。

 わが意を得たり。
 宗教評論家のひろさちやさんがこんなことを言っていた。
《私は機会があるごとに、「日野原(重明)さんみたいな生き方はしようと思うな」と忠告しています。あえて暴論を吐けば、日野原さんのような生き方はもっと馬鹿にしたほうがいいと思います。年をとってから、どうしてあんなにも頑張らなければならないのか。各界で活躍している高齢者はできるだけ軽蔑したほうがいいというのが私の考えです。》
 これは『死に方上手―しょぼくれ老人のすすめ』(ビジネス社)の中に出てくるフレーズだが、ここだけを切り取ってはいけないけれど、要するに、老人になったらはつらつと生きるんではなくて、しょぼくれて生きてもいいじゃないか、と言っているのである。
 日野原さんは103歳、もう1世紀生きているわけで、医療界も講演業界も日野原さんの後輩しかいない。もう日野原さんの席を後進に譲るべきではないだろうか。2年と分かたずして、同じ地域で同じ人の話を2〜3度聞いても、どうであろう。聞きたいというニーズがあるから仕方がないのだろうが、70代、80代にも貴重な話をもっている識者は多い。あるいはもっと若くてもおもしろい知見を披露できる方はいるだろう。視点を変えてものごとを見るということも大切なことだと思う。日野原さんにしても、そろそろ後生にバトンタッチをしてもいいのではなかろうか。
 ワシャは個人的に、日野原さんよりもひろさちやさんの話を聴きたいけどね。

 おもしろいニュースがあった。
 青森県八甲田山の山中にある別荘から深夜119番通報があったそうな。位置を確認して、駆けつけてみれば、そこは鬱蒼とした森の中、雪中行軍の遭難現場。闇の中には誰もいなかった。誰が電話をしたのだろう。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140518-18104206-webtoo-l02
 本当ならわくわくするような話である。今年の1月23日の日記「冬の怪談」
http://d.hatena.ne.jp/warusyawa/20140123
にも書いたけれど、八甲田山にはいろいろな怪奇現象が伝えられている。未だに雪中行軍兵士の魂が八甲田の山野を彷徨っているとしたら、なんだかロマンがあるじゃないですか。
 バカ野郎のいたずらだとしたら「八甲田山の霊に憑り殺されろ」っていう話。

 そうそう昨日、所用で豊川市に出かけた。道中おもしろいことがあったけれど、それはまた明日にでも。