劣天声人語

 夕べ、不愉快な宴席があった。欠席すればよかったのだが、幹事から何度も誘われて、とくに他の用事も入らなかったので、顔を出した。喫煙者に囲まれたのも、不快だったし、話題の合わない人間とコミュニケーションをはかるのも疲れる。

 まぁいいや。気を取り直して、昨日の「天声人語」を取り上げる。今日の「天声人語」もひどかったが、昨日のはさらに良くなかったんでね。
冒頭に《聖人君子でもないかぎり口の失敗は多い。》とくる。ここだけで、コラムが、NHKの新会長の話題だと透けて見えるでしょ。
 その後ろに続く格言も「沈黙」で調べればすぐに出てくる類のものでひねりはない。▼で段換えをして、150字はニュースになった部分を引き写しただけで、なんの味付けもされていない。このコラムの担当者が意見らしい意見《籾井勝人氏は心と口の距離が近い率直な人なのだろう》を言うのは、コラムの真ん中あたり。これはワシャもそう思う。コラムニストならもっと鋭い一撃を持ってこなくっちゃぁね。以降、天声人語氏は饒舌になる。
《なにかと政府に寄りがちだ。法律に反対する国民も受信料を払っていることを、お忘れではないか》
《言葉の目方は出る口で決まる。地位ある人が発するものは市井の会話と同じではない》
《自覚不足という話でもあるまい。職にふさわしい人か、どうか。生じるのは素朴な疑問符だ》
 まあ、籾井さんをテレビで拝見した限りでは、どの意見も至極もっともな言い分であるが、これも誰でもが思いつきそうな感想でしかない。看板コラムを書く名手(笑)としてはいたって平板だ。
 この後、天声人語氏は、籾井さんを安倍首相に近い人と断じて(それも皆が解っていることなのだが)、こう締める。
《「政府が右ということを左とはいえない」とも語った。是々非々を封じるということだろうか。公共放送も含め、それは報道の生命線のはずだが。》
 ここで、ワシャは「ドッヒャー!」とひっくり返ってしまった。いつも偏向報道を進めている朝日新聞論説委員(かどうか)がそれを言うか。常に支那中国、朝鮮半島よりの記事を垂れ流してきて、「それは報道の生命線のはずだが」って、ここ何十年も報道の生命線を断ち切ってデマを流してきたんではないかいな。まさに「どの口で言う」である。市井の会話ではないんだよ。大新聞の看板コラムニストが自覚不足だろう。
 こんなコラムを書き写していると、脳が腐るかもしれない。