落語の夜

 夕べ、落語会があった。出演は瀧川鯉昇(りしょう)、柳家蝠丸(ふくまる)、桂文治(ぶんじ)、滝川鯉和(こいわ)。

 前座で鯉和が高座に上がる。演目は「初天神」。前座噺だがネタとしては大きい。鯉和、法政大学法学部を出て、新聞記者から鯉昇門下にトラバーユした変わり種。平成23年に入門したから、まだピカピカの前座である。それにしては「初天神」が割合にこなれていた。法政大学の落研出身か。若干、柳家喬太郎の「初天神
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が垣間見えた。
 その後に鯉昇である。いつもどおりグダーッとした長〜い枕の後に「武助馬」を演った。会場は大爆笑。
 3人目は、蝠丸。鯉昇と同様に昭和48年に落語界に入ってきた。二つ目に上がったのも真打昇進も鯉昇より早い。いわゆる兄弟子になるわけだが、落語については大きな差がついてしまったようだ。鯉昇は40分を噺した。それはあっという間だった。蝠丸は「伊達高尾」を20分。これがつまらない。何と長い20分だったことか。
 平成の名人である喬太郎のこんな言葉を思い出した。
「20年30年落語やっててネタをたくさん持ってたって、素人はしょせん素人、腹をくくって落語界に入ってきた前座さんには敵わないんだ」

 仲入りの後、桂文治の襲名披露口上。その後、トリを文治が演る。演目は、落語作家の小佐田定雄が1977年に二代目桂枝雀のために書き下ろした新作落語の「幽霊の辻」。
 文治、まるっきり枝雀のコピーで、それも真似るだけなので、けっして本家には勝てない。こりゃダメだ。