幻の巨大船

幻の巨大船

 土曜日に放映されたNHKスペシャル「発見!幻の巨大船」がおもしろかった。内容は、730年前の「元寇」の際、神風によって沈没した軍船の発見と、その軍船の分析報告だった。
 元の軍船は、伊万里湾鷹島の南入り江の推進23mのところで発見しされた。酸素のないところでは材木は腐食しない。ほぼ原形を保った形であったため、元船の構造がよく見ることができる。
 ワシャらは歴史の教科書で「蒙古襲来絵詞」と必ず出会っている。鎌倉の御家人である竹崎季長(たけざきすえなが)が騎馬で奮戦する絵、見たことがあるでしょ。下のURLをクリックして右のほうにスクロールすると竹崎さんが出てきます。
http://www.lib.kyushu-u.ac.jp/hp_db_f/moukoshurai/e04.htm
 黒馬にまたがった鎧武者とそれに矢を射かける蒙古兵、その中間で爆発する「てつほう」の図である。
元寇は、中世の日本で起きた一大国難であった。クビライは日本に対して「属国になれ」と通牒してくる。これをときの朝廷は一蹴した。
神州日本は元帝国の属国にはならぬわ!」
 さすがである。我が国の父祖たちは腹が座っている。アジアからヨーロッパまでを掌握する世界帝国を相手に日本のプライドを守ったのだ。どこぞのフニャ●ン政権とは気概が違う。執権の北条時宗の胆力と竹崎さんのような鎌倉武士の奮闘のおかげで朝鮮兵を主力とする文永の役をなんとかしのぎ切るのである。

 ここで一つ言いたい。NHKスペシャルの中で使われたユーラシアの地図である。元帝国が侵攻した地域が色分けされている。下の図を見ていただきたい。
http://www.fuzita.org/wldculture/dnames/mongolempire.html
 当然のことながら、元帝国の版図の中に朝鮮半島は入っている。その東の日本やベトナムはその版図の外側である。つまり朝鮮半島元帝国に征服されている。征服されているから元の言いなりになって4万もの朝鮮兵を日本に侵攻させた。
 でもね、NHKの使った元帝国の地図では、朝鮮半島は日本と同じように版図の外の位置づけである。NHK、なにに気を使っているのだろう。歴史は正確に報道しろよ。

 いかん。時間がないのにもう一つ言いたくなってきた。
 元の支配下にあったとはいえ、朝鮮軍は元の先兵として日本に進軍してくる。その途上、対馬、壹岐を血祭りに挙げて襲来する。朝鮮船の船べりには手に穴を穿たれた対馬や壹岐の住民がぶら下げられていたという。
 朝鮮人支那人も70年前の日本の非を未だに論い、責任を問うている。あらかたは言いがかりや捏造だが、戦争状態ゆえにそういった悲劇があったことも事実だろう。そのあたりは歴史的検証を丁寧に続けていく必要がある。でもね、その責任をとる人間はほとんど鬼籍に入ってしまった。今、日本人を構成しているのは、戦争時に投票権すら持っていなかったのである。
 国が存続しているのだから責任があるというならば、朝鮮半島はずっと独立国として続いてきたと主張しているのならば、いくら元の差し金とはいえ、実際に殺戮行為をして島民を船べりに吊るしたのは、朝鮮兵である。その時の責任者の責任は死んでしまっているので取れないが、国家として存続しているのならば、730年前の責任を取ってもらいたい。
 ワシャの言っていることは言いがかりだと思う。しかし、すでに種々の条約などで国交回復している。どうして水に流すということができないのだろう。
NHKスペシャルを見ていてそんなことを感じた。