柳条湖の日

 日曜日の夕方のことだ。隣町に本を買い出しに行ったついでに、幹線沿いのスーパーに立ち寄った。酒の肴でも買っていこうと思ったからである。あまり日曜日の夕方にスーパーに立ち寄るということがないので、意外に混んでいてびっくりした。
 肴を手にしてレジ待ちをしていると、背後から姦しい中国語が襲ってきた。振り返ると食品会社の制服のような白い上着を着た若い娘2人が立っている。その一方がケータイを使っていたのだ。レジ前にはその支那のお嬢さんの声が響き渡り、あとの日本人は静かに列に並んでいる。平和だな日本は。

 14日には「週末に支那中国各地でデモ、邦人に不安が広がる」と報じていた。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201209/2012091400685&rel=y&g=pol
 実際にはデモなどというレベルではない。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120915/mcb1209152213018-n1.htm
 暴徒と化した連中が日系の百貨店や企業を襲って略奪行為に走っている。強盗団以外の何ものでもない。あのあさましい姿を見て――やれやれ彼の国の民は4000年の歴史を見事になぞっているようで――ため息が出た。
 あちこちで日本人、日本企業に被害が出始めている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120917-00000108-jij-int
 在留邦人は、一旦帰国したほうがいいかもしれない。
一方、日本国内では、発煙筒を支那総領事館に投げ込んだヤツがいた。せっかくここまで民度の差を見せてきたのだから、我慢して欲しかったが、大陸の大乱に比べればチンケなものだ。

 彼の孔子様もこの騒乱を予見してか、小人どもに必死に諭している。
「君子は泰(ゆた)かにして驕らず。小人は驕りて泰かならず」
「君子は固(もと)より窮す。小人窮すればここに濫(らん)す」
「小人の交わりは利を持って集まり、徒党を組む」
「君子は義に喩(さと)り、小人は利に喩る」
 ううむ、キリがないわい。
 孔子様は、「君子とはこうあるべきですぞ。くれぐれも愚者にならないようにしなさい」と口を酸っぱくして2500年もの間、言い続けているのだが、一向に彼の国の民には浸透しない。

 でも、パンドラの箱に残った最後の希望というか、彼の国にまだ理性的な思考回路を持つ人々がいる。これはうれしい。ただし、共産党からの指示に寄らない人たちであることが前提だが……。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120917/mcb1209171300011-n1.htm
 反日デモに対して、中国版ツイッターに「愛国に名を借りた強盗」「なぜ黙認するのか」などと暴徒の行動や政府の対応を批判する書き込みが多数あったという。
 また、「95%の人々は今回の暴動を指示しない」との書き込みもあったというが、5%といっても7000万人いるわけだからねぇ。
 支那中国政府は、格差社会で利益を得られなかった層に対してガス抜きとして「反日」を使っているが、それは諸刃の剣で、はたして現政権が無傷で収拾できるのだろうか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120916-00000001-fsi-bus_all
 日本企業“脱中国”が加速すると報じている。そりゃそうだろう。あそこまで徹底的に破壊されてしまうのである。あるいは放火された工場もあったという。その損失は計り知れない。そんな物騒なところでビクビクしながら商売をするより、もっと温厚な親日の人々と一緒にものづくりや商いをしたほうがいい。そんなことはとっくに判っていたことなのだが、痛い目に合わないとわからなかったんだね。
 この乱は世界中が見守っている。支那中国が危険な国であるということが、満天下に曝された。日本ばかりでなく先進諸国は、この厄介な国から手を引くべきだ。少なくとも民主的な国家になるか、もう少し細分化され適正な国家規模になってから、お付き合いを願えばいい。

《日本人への圧迫、弾圧は筆舌に尽くし難く、奉天近辺だけでも、暴行や器物、施設の破壊などの日本人及び日本企業関係の被害が、一年間で三十万件を超える有様だった。特に悪質と思われたケースについては、総領事が張学良側に厳重抗議をしていたが、その厳重抗議も、爆殺事件以降すでに三百七十件に及び、しかも一件として解決を見ないという状況が続いていたのである。》
 以上の文は、福田和也『地ひらく』(文藝春秋)から引いた。満州事変前夜の支那の状況である。どうだろう。恐ろしいほど現在と似ていないだろうか。
 また、暴動・略奪の発生した都市をプロットしてみるとよくわかるのだが、支那中国人の中でも漢族が大騒ぎしているのが見えてくる。それも80年前と酷似している。

 駐日支那中国大使も言っている。「日本が悪い」と。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120917-00000001-mai-pol
 だったら一度、絶交したほうがいい。少なくとも大陸に進出した企業だって、今の状況では営業再開の目途は立たないし、また、いつ何時因縁をつけられて、暴徒に襲われるかもしれない。観光客だっておちおち歩けやしないから、一旦、国交を絶つというのもいい方法だと思う。
「なにをむちゃくちゃなことを言っているのだ」
 と、言われるかもしれないが、いやいや日本民族というのはなかなか強かで、たいていの困難をものともせずに乗り越えてしまう。明治維新だってそうだし、日清・日露の国難もそうだった。先の大戦で焦土と化した日本を見事に復興させたことは記憶に新しい。その困難さと比較すれば、支那中国一国と国交を断絶することなど、どうということはない。確かにいろいろな局面で不便は生じるだろう。しかし、国民がそれを甘んじる覚悟があればやってやれないことはない。日本は支那帝国から手を引き、日本国内にいる明日香寿川や張景子らには国籍を返還して母国にお帰りを願おう。その上で、海洋アジアや東南アジアと仲良くやっていけばいい。アメリカもヨーロッパもインドもブラジルもあるんだ。そうこうしている間に、独裁政権は内部から立ち枯れ、いずれは民主的で健全な国家に移行していく。それまで国交断絶する。ただし、東支那海の海防は万全の態勢を取りつつだ。日本が自立するまでの間はアメリカとも連携せざるを得ない。
 日本政府は、あらゆる手を駆使して、尖閣諸島を守り、大陸の邦人の安全を確保しなければならない。しかし、胡錦濤と立ち話をしているときも、うつむいたままでしか話のできない野田首相には無理な話かもしれない。せいぜい、連中には「様子を見る」そのくらいのことしかできないだろう。
 日本歴史の中でも、もっとも日本が不甲斐ない時代に生きていることが悲しい。この国が好きなだけに残念でならない。