上もバカなら下も根性がない

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111229-00000278-yom-soci
 この事件、昼飯をたかった上司も上司だが、100万もの金を払い続けた部下もバカだわさ。

 ワシャの知り合いにTくんという公務員がいる。そのTくんにこんな武勇伝がある。Tくんが新規採用され、新人職員として勤めはじめた4月1日の夜、課を上げての歓送迎会が催された。その席上でTくんは、数人の先輩に囲まれて、酒を強要された。
 Tくん、もともと酒が嫌いではない。好きなんだけど、人に無理強いされるのは嫌だった。
先輩「飲めよ」
Tくん「(愛想笑い)先輩、勘弁してくださいよ」
先輩「オレの酒が飲めないのか?」
 先輩は、Tくんにお猪口を握らせて、どんどん注ぐ。どんどん注ぐからお猪口からこぼれてTくんのスーツのズボンを濡らす。
先輩「オレの酒をこぼすなよ」
 周囲を囲んでいる先輩諸氏はゲラゲラと笑っている。
Tくんの顔から笑みが消えた。
手に持っていたお猪口に残った酒を先輩のスーツにバシャッと引っかける。そうしてからおもむろにニヤリと笑う。Tくん、動転しているA先輩から徳利をもぎ取ると、A先輩の頭上から、薄くなった頭髪にトクトクトクと酒を注ぐのだった。
 その後は、大騒ぎになったが、後輩をいびることぐらいしか楽しみのなかった先輩諸氏とTくんとでは根性と経験が違った。
 騒ぎになればなるほど、守るものの多い人間は引いていくということをTくんは中学・高校の時代に学んでいた。だから、できるだけ派手に、膳をひっくり返し、座椅子を蹴飛ばし、徳利の2〜3本もこの際だ……てなもんですわ。
 騒ぎにすれば、課長やら補佐が仲裁にはいって、先輩連中もTくんも正座させられて、お小言をくらう。そうなると先輩のほうが、余分に叱られる。ざまーみろってんだ。
 最初にこういうことをやっておくと、あとが楽になる。課どころか、周囲の課の先輩たちには「Tは酔うと手が付けられない」という噂が流れる。そうなればこっちのもので、小心者は危険人物には近づいてこない。
 めでたく酒の席でTくんにちょっかいをかけてくるヤツはいなくなり、Tくんは一人静かに飲めるようになりましたとさ。どっとはらい

 そういうことなのだ。
 この100万円をたかられた後輩は、そもそも根性がない。喧嘩をして損をするのは、役職者のほうに決まっている。嫌な上司には、どんどん突っかかっていけばいいのさ。