先輩、後輩との会話

 先週末、他社に出向している先輩が久々にワシャの職場を訪ねてくれた。その人とは、30代の頃に意気投合して、よく飲み歩くようになった。でっぷりと肥えた方で、お腹なんかは、つい触りたくなるほどまるまるとしている。以下は、布袋様のように福々しい人との会話。
ワシャ「先輩、また太りましたね」
布袋様「そんなことないよ」
ワ「飲んでますか」
布「ワシャくんが誘ってくれないからさみしくK市の駅前で、毎日飲んでるよ」
ワ「え!毎日」
布「ワシャくんは飲んでるかい」
ワ「会社がらみの飲み会が多くて……」
布「そうだね、このポジションは偉い人との飲み会が多そうだ(笑)」
ワ「先輩、肝臓の数値は大丈夫なんですか」
布「めちゃめちゃ高いよ。高値安定だね。でも昔から高いからいいんじゃない」
ワ「健康保険の特定指導とか来るでしょ」
布「しょっちゅう来てるよ、でも無視している。面倒くさいもんね」
 すごいと思った。ワシャは1年前にウエストが87cmになって、その特定指導というのに引っ掛かった。メタボ、γ−GTP、中性脂肪、血圧などが基準値を超えたのである。それで、大騒ぎをして指定病院に通ったのじゃ。
 先輩は、昔から生半可な数値ではなかった。メタボは見てのとおり、スーパーメタボだし、γ−GTPなど三桁の高い方で安定しているだろう。中性脂肪、血圧など突き抜けた数値を誇っている。酒も煙草もまったくやめる気配もない。しかし元気だ。
 ワシャのように、微々たる数値の上がり下がりに一喜一憂している小物とはわけが違う。
布「最近、酒の量が増えてね」
ワ「大丈夫ですか」
布「死ぬときは死ぬまでのことさ、ガッハッハッハ」
 参りました。

 夕べ、気の合う後輩とJR駅前で飲んだ。たまたまワシャのことを嫌っている重役の話になった。
後輩「かなり以前の話なんですが、一度その重役と飲んだことがありましてね、その時に先輩の話が出たんですよ」
ワシャ「ほお」
後「あの重役がまだ課長だったころですよ」
ワ「ふむふむ」
後「先輩が重役の後任でZ課に異動になったでしょ。あの時に業務関連の本をもらわなかったですか」
ワ「あ、もらったような気がする」
後「その時のことを覚えてないですか」
ワ「うう〜ん、あんまり覚えていないなぁ」
後「その重役が棚に並んだ本を先輩に譲るって言ったんですよ」
ワ「そうそう、そんなことがあったなぁ」
後「そうしたら先輩は、つらつらと棚を眺めて『あ、みんな読んでしまったので要りません』てなことを言ったでしょ」
ワ「そんな失礼なことを言ったかなぁ、何冊かはいただいたと思うよ。でも、読んだことのある本はお返ししたような記憶はあるなぁ」
後「そのことをかなり憤慨して言っていました」
ワ「そういうことがあったならワシャは嫌われて当然だ。ワシャの不徳のいたすところである」
 若気のいたりというやつですな。もっと人に対して優しくならないといけない。反省反省。