香川に歌舞伎ができるのか、に反論

 この記事をお読みください。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110928-00000007-ykf-ent
《40代半ばという超遅咲きで歌舞伎界の初舞台を踏むことが決まった俳優、香川照之(45)。歌舞伎の名門に生まれながら、ようやくつかんだあこがれの舞台だが、すんなりと初舞台が務まるのだろうか。》
《3歳ほどで初舞台を踏む歌舞伎界からすると、46歳での初舞台はまさに異例だ。》
と疑問を呈しつつも、記事全体としては香川照之に好意的だ。

 ワシャは基本的に香川照之なら、何年も待たずして大看板が張れると思っている。なぜか。それは、まず彼の頭脳が明晰であるということ、そして、何年も前から下準備をしているだろうと思うからである。
 これはもうワイドショーで言っていたので、いまさらということなのだが、香川が長男に政明という名をつけたことである。市川猿之助家では、代々、「政」の字をつないできた。現猿之助が「政彦」、父が「政則」、祖父が「政泰」である。香川はこの「政」の字を継げなかった。「照之」である。叔父の段四郎が「弘之」であるから、この「之」をもらったのだろうか。それにしても現猿之助は、実子で長男の香川に「政」を与えなかった。不思議だ。あるいは歌舞伎役者にしたくなかった浜木綿子が、「政」をつなぐのを嫌ったか。
 猿之助の思いでも、浜木綿子の恩讐でもいい。とにかく二人は香川には「照之」という名前を与えた。しかし、香川は自分の子供に「政明」と名付けるのである。香川照之の歌舞伎の世界に寄せる想いは深いと見る。

 話がずれたが、その香川が歌舞伎界で通用するのかということである。
 ワシャは通用すると思っている。まず、その身に備えたオーラが違う。申し訳ないが、名題でも、香川ほどのオーラを背負っている男は数えるほどしかいない。確かに踊りは難しかろう。しかし、それも精進すればなんとかなるし、香川ほどの人物である。すでにどこぞの日舞の師匠に手ほどきを受けているかもしれない。
 そして、ここを強調しておきたいが、名バイプレーヤーの笹野高史(「釣りバカ日誌」の社長付きの運転手の人)は、中村勘三郎一座に加わって立派に舞台をこなしている。
 すでに「スーパー歌舞伎」という新ジャンルも確立されている。21世紀に更なる歌舞伎を模索していく道程にとって、革命児猿之助の一子である香川照之はぜひ欲しい逸材だ。名題といったって大根も多い。香川なら天賦の才、そして精進によって、そんな連中は大根抜きじゃない、牛蒡抜きだわさ。