歌舞伎の隆盛

 おおお、これは吉報。
http://www.asahi.com/culture/update/0927/TKY201109270639.html
 ワシャは市川猿之助のファンである。彼の歌舞伎は何度も観ているし、スーパー歌舞伎もほとんどを鑑賞した。猿之助が病に倒れた時は、もう彼の名演が観られないのかとがっかりしたものだった。
 しかし、その後、甥の亀治郎の成長著しく、NHK大河の武田信玄の重厚な演技は記憶に新しいところである。年を経るとともに、声や所作が猿之助に似てきた。亀治郎の父の段四郎はどちらかといえば大根なのだが、猿之助が強く出てきて頼もしい。歌舞伎ファンとしてはホッとしている。
 そして、猿之助の実子の香川照之である。彼がNHK大河の「龍馬伝」の岩崎弥太郎や「坂の上の雲」の正岡子規、映画「劔岳 点の記」のマタギ役や「あしたのジョー」の丹下段平など、活躍をしており、役者としての幅も広いことは万人の認めるところだろう。
 その彼が、実父の猿之助と和解して、歌舞伎界に戻るという。俳優業としては香川照之を名乗り、歌舞伎では九代目の市川中車を継ぐ。これは凄いことだ。是非、来年6月の新橋演舞場の襲名披露では、「絵本太功記」の武智光秀を演じてもらいたいものだ。
 冒頭の朝日の記事に写真があるでしょ。猿之助亀治郎香川照之、香川政明の三代が並んでいる写真である。この写真で、香川照之の紋付羽織袴姿が妙に馴染んでいないのが分かりますか。亀治郎などは和服を着慣れているから、立ち姿がこなれているでしょ。香川照之が歌舞伎の水を我が物にしたときの舞台が今から楽しみだ。どういう役者と同じ時代を過ごすのか、というのも歌舞伎ファンの醍醐味である。

 歌舞伎役者と映画俳優の二足の草鞋を履く中村獅童も歓迎している。
http://news24.jp/nnn/news89022251.html
 もちろん獅童もいい役者だ。間違いなく彼も一時代を築いていく一人だと思っている。その彼が、香川照之の歌舞伎界入りについて「香川さんの持っている個性を、歌舞伎を通してぶつけたら素晴らしいものになりますよね。機会があれば、ぜひ共演したいです」
と言っている。獅童、中車の競演、これまた楽しみではないですか。

 初代の市川団十郎が元禄の人である。以降、300年の歴史を刻んでいる歌舞伎だが、現在は、その中でもいい役者が揃いつつある時代だと思っている。異論はあると思うが、ワシャがそう思っているのだから仕方がない。
 市川海老蔵は、あの暴力事件で一皮剥けた。菊之助もいい女形に育ちつつある。猿之助が育てた市川右近笑三郎らも中堅として手堅い演技を見せるようになった。亀治郎もいい。獅童も元気だ。中村勘太郎市川染五郎なども頑張っている。

 積み立てをして6月の新橋演舞場に行くどー!