風の存在

 午前3時起床。一晩中、外の風はドウドウと泣いていた。時おり、突風が吹くと、安普請の我が家はギシッと揺れたりする。
 まだ、現時点で台風12号は四国に上陸していない。遅い台風だ。どうやら暴風域は愛知県にはかからないようだが、強い風がすでに15時間以上も続いている。
 風が上がりはじめたのは昨日の昼ごろだった。いつものように自転車でサイクリングロードを走っていると、突然、「ボン!」と何かに突き当たる。思わずよろけましたぞ。でもワシャの目の前には何もない。それは風というか、空気の塊みたいなもので、改めて空気に実体があるということを知らされる。
 
 そうそう風の実体と言えば、風を描いた画家がいる。クロード・モネである。彼の代表作である「散歩、日傘をさす女性」
http://www.gallery-aoki.com/salehigasa.html
では顔にまとわる風が描かれている。実際には顔にかかるベールが風に揺れて光っているのだが、それは風の流れそのものなのだ。やわらかな日差しの中、ベールを揺らすほどの風がそよそよと吹いている。そのくらいの風が上品でいい。