若き社長の軽率な謝罪会見 その1

 眉毛を細く剃りこんだ若い社長が会見で強弁した。
http://mainichi.jp/area/fukui/news/20110503ddlk18040596000c.html
 映像はこちら。
http://www.youtube.com/watch?v=eDE_ukud00c&feature=related
 しかし、系列店から3人もの死者と、6人の入院患者を出してしまっては言い訳はきかない。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110504k0000e040023000c.html
 死者も中毒患者も間違いなく若造社長の店舗から出ているのだから。

 最初にこのニュースを聞いたとき、ユッケを290円で食わせるというのにどだい無理があると思った。ワシャがよく行く店はユッケが美味い。小皿に一つまみの肉の細切りと卵の黄身がのっているだけで、800円もする。でもね、カウンターから見える厨房では、まっさらなまな板を新たに出してきて、丁寧に洗った包丁と一緒にアルコール消毒をしてから調理してくれる。安全を800円で買っていると思えば高くない。
 逆に、290円のユッケだったら、間違いなく注文しませんな。だって怖いんだもの。素材の値段、加工賃、諸々のサービスにかかる値段、それに安全代を付加して、どうやったら290円などという単価設定ができるのか。不思議でしょ。必ずどこかで手を抜かなければ元が取れない。粗材が悪いか、板前の質を落とすか、衛生管理の手を抜くか、290円では、安全などというものは端から除外されているわさ。
 残念ながら、若さは手間を惜しむ。その手間にこそ価値があるということを知らない。そして内面よりも上辺を飾ろうとする。あの細く剃った眉毛のように。まず、入り口にあの細眉の若い社長の写真が張ってあれば、ワシャはすぐに店の入り口できびすを返しますな。おもてなしの心配りを身につけるには、少しばかり軽薄に過ぎる。多少値が張っても、信頼のおける店で適正な値段の肴で飲みたい。

 そして、客の方も、もっと利口になるべきだ。自分の安全は自分で確保する、子供の安全は保護者が守る、そのためにいろいろと勉強しなくっちゃあ。
(下に続く)