首長図鑑(バカ系) その2

(上から続く)
 広島県府中市の伊藤吉和市長が、阿久根市やミャーミャー総統の動きを見つめながら、同じ首長として「どこかしら目新しい変化を見たいという気持ちも禁じ得ない」と政治家としての本音を吐露されている。しかし、そう前置きをしながらも、《それが、自治体や住民の利益につながるかというと、「話は全く別だよ」と申し上げるしかない》と釘を刺す。
 ここが重要です。
《ヒーロー市長への期待感は》
 伊藤さんは言います。このフレーズは《ミャーミャー総統への期待感は》と、まるっきり言い換えができるので、そうする。
《ミャーミャー総統への期待感は、磐石の既存体制が粉々になるところが見たい、という大衆願望に根ざしている。》
 ミャーミャー総統を始めとするヒーロー首長の言う「改革」とは「破壊」と同義である。「10%減税」は「税制破壊」であり、「議会改革」とは「議会破壊」ということだ。
 もうそろそろ名古屋市民には目覚めてもらいたい。名古屋の覚醒が遅れれば遅れるほど、愛知県政に感染は拡大し、そうなると名古屋ばかりではなく三河まで汚染されることになる。それは御免こうむりたい。バカは阿久根と名古屋だけで充分である。

 賢明な人たちは次々と声を上げている。東京大学の金井利之教授の発言をお聴きいただきたい。
《二元的代表制で予定されている「対立」とは、権力分立で意味されているチェック・アンド・バランス(抑制と均衡)である。首長意思と議会意思という形で、複数の民意が自治体において「見える化」される仕組みは、単一の多数派と称する民意による独走を防ぐ意味で、よりコンセンサス重視でもある》
 ここも重要ですぞ。
「単一の多数派と称する民意による独走」
 これが、時として現れ、ミャーミャー総統のようなおっちょこちょいを担ぎ上げて、地味だけれども適正に機能していたシステムを破壊して喜ぶ。これがミャーミャー総統や阿久根の竹原さんを支える「民意」と称するモノの正体である。
 いいですか、一度壊したものを再び作り上げるには多大な労力や費用が必要です。だから、堅実で健全な首長たちは、ちまちまとしたメンテナンスを施しながら、手間暇をかけて今のシステムを少しでもいいものに改変しようと奮闘努力をしている。
(下に続く)