山中光茂さん(松阪市長)の講演 その3

(上から続く)
 もう一つ興味深い話をされた。
 山中さんが、最も力を入れているものに「住民協議会」がある。内容は、「その協議会を地域住民で構成し、地域の問題を住民自身で考えていこう」となっている。詳細な話はしないけれども、小学校区単位で協議会を立ち上げて、この協議会に権限と予算を与える。この協議会によって住民自身が住民ニーズを酌んで地域に密着した地域再生を図ろうというものである。
 前市長のときには、この協議会が5年間で8つしか立ち上がらなかった。山中さんになってから、2年で23協議会が動き出し、準備会の発足したところまで入れれば40を数える。トップが替わるだけでこれだけのスピードが出るとは……これも驚きだ。
 山中さんが、停滞していた住民協議会を推進すると宣言したとき、猛烈に反対したのが議会だった。その中でも議長、副議長は常套句の「議会軽視」とでも言ったんでしょう。大反対だった。だから議長、副議長の地元は最後まで「協議会など絶対につくらせない」と気炎を挙げていたそうな。
 ところが大多数の地域に住民協議会が動き始め、また動き出そうと準備を始めてくると、元々確固たる信念があって反対しているわけではないから、小人は四面楚歌になってくるとにわかに不安になるようだ。今年あたり、議長、副議長のお膝元も落城寸前だという。がんばってね(笑)。

 山中さんがつくった「シンポジウムシステム」について、お話を聴けば聴くほど、そのシステムの堅牢さ、そして準備に手間がかけてあるなぁと思わされた。
 とてもためになった講演会だった。