ドキュメント、ワルシャワの結婚式祝辞 その1

 いやー、披露宴は大成功だった。
 新郎側の主賓の祝辞は、型通りの挨拶だったが、それはそれでこういった厳粛な場では必要なのである。とくに披露宴のトップバッターにあたるのだから、妙にくずれているのは場所柄としてそぐわない。厳かであり、朗々と、最後には「三河万歳」の「寿ぎの台詞」を引用してみごとに4分で締めくくった。原稿を持つ手が少し震えていたが、なかなかいいスピーチだった。
「引き続きまして新婦側のご来賓のワルシャワ様、ご祝辞をよろしきお願いします」
 と司会者が言う。すでにテーブルにはワインが出ていたので、二番バッターはそれで口を湿らせ、雛壇脇のスピーチ席に立つ。新郎側主賓はスタンドマイクを使ったが、ワシャはどうもマイクを手に持たないと話しづらい。だから、原稿を置く台も用意してもらって、そこに原稿を並べ、キャリーバッグを左の足の前に配置して、「新郎新婦様、本日はご結婚おめでとうございます」と始めた。
(さて、はちゃめちゃのワルシャワスピーチはどうなるでしょう。下に続く)