阿久根市の騒動 その2

(上から続く)
 東京大学の大森彌(わたる)先生がこんなことを書いておられた。
《こうした首長は、攻勢が目立つため突破力のある頼もしいリーダーのように見えるが、政治のリーダーとしての素質に欠けている面がないとは言えない。イエスマンに囲まれたいという願望の強いタイプは、多様な異見がある中で、熟議と妥協によって人びとの間に求心力を創り出していくために必要な自制心に欠け、物事を運ぶ過程の大切さを軽視する》
 阿久根市の竹原さんも、どこぞのミャーミャー市長も人の意見や異見に耳を傾けようとする人ではない。議論を嫌う傾向が強かった。これが大森先生の指摘する「素質に欠ける面」であり「自制心に欠け」るところなんだろう。
 度々言っていることだが、民主主義というものは手間暇が掛かるものなのだ。首長自身に相手を説得するための知見や根気が備わっていないから、面倒くさい手続きを省いて独善的に物事を決めようとする。また、人望がなくネットワークを構築できないから根回しや下ごしらえができない。要するに竹原さんもどこぞのミャーミャーさんも政治家としての力量不足ということ。
 この手の首長には夜郎自大な人物が多いのも特徴的で、こういった首長を戴くと、当然のことながら自治体は混乱をきたす。大都市ならまだしも、阿久根市のように小さなコミュニティでは深い傷となることがままある。
 冒頭にリンクを張ったニュースをご覧あれ。市役所のロビーで前副市長の仙波さんらが扇動者になって気勢を挙げているでしょ。おそらく西平市長に投票をした市民の多くは、落ち着いた阿久根を取り戻したかったのではないか。市長選が終わってある一定の方向性が見えたにも関わらず、相変わらず騒動師が騒々しい。
 いったいいつになったら阿久根市に静けさが戻るのだろう。