阿久根市の民意

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101012-00000013-maip-pol
 鹿児島県阿久根市では平成22年9月2日の定時登録で19,936人が選挙人名簿に登録されている。市長解職請求署名簿の有効署名が10,197人だから、もうこの時点で過半数を超えている。竹原市長の進退も窮まったか。
 以前にも読書会で議論をしたことがあったが、竹原市長の理念はいい。高邁と言ってもいいだろう。しかし、その手段がよくない。「悪法もまた法なり」である。法に不備があるから踏みにじってしまえ、では、民主主義は成立しない。法を捻じ曲げてでも自分の主張を通そうとすれば、それはどこぞの独裁国家となんら変わらないということになってしまう。民主主義というものは、ことほど左様に手間と時間が掛かるものなのである。
 市長がそんなことばかりしているから、う〜ん、阿久根市のホームページもやる気がないというか……。トップページ
http://www.city.akune.kagoshima.jp/
の「新着・更新情報」の市の人口をクリックすると「暮らし情報」に飛んでしまう。ちっとも人口が検索できない。竹原市長の下では職員に厭戦気分が蔓延しているのだろう。
 一刻も早く行政を正常化しないと、「角を矯めて牛を殺す」ことにもなりかねない。竹原市長派は言う。
「市議会混乱の原因は反対派12名が結託し、市長を選んだ民意を無視して政策妨害を続けてきたからだ」
 それは違いますね。解職請求署名が過半数を超えた時点で、民意は市長に「否」を突き付けている。
 そして以前にも書いたけれど、総務大臣になった片山善博さんがこんなことを言っている。
自治体の首長の場合には、いくら多くの有権者の支持を得て当選しても、公約を実現することは決して容易ではない。別途の選挙で選ばれた議会が予算や条例の決定権を持っており、自分の考えだけでは政策を具現化できないからだ。》
 だから、全国の首長たちは、ある程度の妥協をしながら議会と協調しつつ、住民のための行政を最大公約数でやろうと苦労している。
 選挙に通ったからといって、首長は絶対的な権力を付託されたわけではないということをトップが学習しない限り阿久根市の混乱は収まるまい。やれやれ。