国勢調査の注意

 5年に一度の国勢調査が実施される。ワシャの友人も国勢調査に携わっているので、あんまりごちゃごちゃ言いたくないが、でも言っちゃうのだった。
 もうこの調査、時代遅れではなかろうか。この不毛な調査のために全国のどれだけの人々が駆り出され、経費が湯水のごとく使われる。その結果が、
http://www.stat.go.jp/info/guide/katsuyou/kokusei1.htm#1
「国内の人口及び世帯の実態を把握し、各種行政施策その他の基礎資料を得ることを目的とする。」のだそうな。
 これがまず出鱈目である。残念ながら国勢調査のような人の善意にすがった調査では実態など掴むことはできない。考えても見てよ。東京都足立区の民家でミイラとなって発見された加藤宗現さんは死んでから5〜6回の国勢調査を経ている。調査票を役所がチェックする以上、詐欺師の娘は確実に宗現さんを世帯主として記載している。そんな事例は全国津々浦々にあるし、死んだ高齢者ではなくても、「プライバシー」を盾に調査すらさせてもらいえないケースもある。また、続々と入り込んでいる外国人の把握も不可能だ。誰が所有者なのかわからないマンションやアパートの中に何人が息を潜めていることか。国勢調査票の配布に行っても、ドアを少しだけ開けて「ワタシ、ニホンゴワカリマセン。10ガツ1ニチマデニヨソニウツルノデココニハイマセン」と調査拒否されればお手上げだ。日本人の実態すら掴めないのに、彼ら外国人の実態などまるっきり掴めるものか。
 実際に各自治体の住民基本台帳の人口数値と国勢調査の人口では大きく乖離している。その上に、この調査結果が出るのは2年も先である。こんな調査結果になんの意味があるのだろうか。不確実な部分が多すぎるこんなあいまいな統計がなんの役に立つと考えているのだろうか。
 もちろん、地方自治体の職員は現場で一所懸命に国の方針どおりに頑張っている。国の方針がいかにバカらしいと思っても、ルールである以上、真面目に取り組むしかない。しかし、国の活用事例を見ても、本当に役に立っているのかはなはだ疑問だ。掛けた費用に見合うだけの効果が本当にあるのかいな。

 前回か、前々回かは忘れたけれど、岡山か広島で国勢調査員が殺されるという事件が起きている。日本の治安は5年前よりもさらに悪化している。凶暴な犯罪者はどこかのアパートで息を殺して、調査員が来るのを待っているかもしれない。そういった事件が起こらないことを祈るばかりだが、調査員になった人はくれぐれも注意して調査を実施してくださいね。
 あなたに対峙している人間に油断しないこと。人を見たら犯罪者だと思った方がいいでしょう。間違っても、ドアの中に入ってはいけませんぞ。ドアの外で必ず相手と間合いをとって調査依頼をしましょう。手首を掴まれ引きずり込まれないように注意してください。万が一、襲ってきたら「火事だ、火事だ、火事だー!」と大声で叫ぶことです。大騒ぎをして人の耳目を集めれば、少なくとも殺されることはないでしょう。
 何の役に立つのかわからないような、国の統計局の職員を食わせるためにやっているような調査のために命を失うようなことだけは避けましょうね。