落語を聴きに

 一昨日、地元で落語会があった。隣町に住んでいるパセリ君を誘って久しぶりの落語会を聴きに行く。噺家は3人、林家正蔵柳家喜多八、林家たこ平である。
 出演順はこの逆で、まず二つ目のたこ平が、前座噺の「金明竹」でご機嫌をうかがう。
 その後に、『今おもしろい落語家ベスト50』(文藝春秋)の18位に入っている喜多八である。相変わらずこの人の力の抜けた枕がいいねぇ。「あくび指南」という眠くなりそうな噺で喜多八の脱力感を味わう。
 トリは正蔵。「甚五郎の鼠」を熱演する。平成20年の年の瀬の落語会以来だが、ずいぶんと上達しているではあ〜りませんか。やはり大名跡を継いで自覚が出たか。ただ、あちこちでトチリが目立った。少なくとも5回は噛んでいる。話芸でトチリは厳禁だ。もう少し精進しないと、正蔵の名が泣くよ。でもね、高座での真面目な態度は評価できる。御曹司独特の気品のようなものも出てきた。テレビのバラエティなど出る必要ないから、とにかく高座に上がって修練を積め。
 残念だったのは、正蔵ゆえに客が呼べるので、いつもの寺の本堂から、大きなホールに変えてしまったことだ。さすがに1200人の客席は埋まらなかった。正蔵も「後ろの方でキャッチボールができそうですね」とぼやいていた。落語はやっぱり300人くらいの席がよろしいようで。