しつこく国勢調査の話

 国勢調査の提出方法が変わって、市町村の現場担当者は大騒ぎになっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101016-00000011-khk-l04
 今回、国民の多くがこぞって直接郵送に切り替えた。大したプライバシーもないのに何を隠したいのだろうか。まぁ、それでもそういうシステムに切り替わったのだから、それを利用するのは止むを得ないところもある。
 郵送が増えれば、調査票を回収しチェックする調査員の仕事がなくなるわさ。そんなことは郵送を奨励した段階で判っていそうなものなのだが、総務省統計局は考えもしなかったのだろうか。その分の割を食うのは直接郵送を受ける自治体の事務局ということになる。そんなことは素人のワシャでも想像がつく。本当に国の役人というのは、現場を知らないというか、現場を想像する力に欠けるというか、要するに机上でしか仕事をしていない証左なんですけどね。

 国もバカなら、国民もバカが多い。調査員の目を避けて、直接郵送するならきちんと書類を書けばいいものを、だらしがないというか、まともに書類を書けない人間がけっこういるんですな。元々、そういうバカ(言っちゃった)が多いから、調査員を教育して事細かに個別指導をしていたわけである。しかし、そういうバカに限って「プライバシー」を盾に権利ばっかりを主張するからかなわない。てめえのことばっかりを聞くたった20項目である。それくらいちゃんと記載しろよ。

 前回の平成17年国調に携わった人20人くらいに調査の状況を聴いたことがある。その話によると、5年前でも、かなりの外国人がワシャの町に入り込んできていて、アパート一棟まるごととか、マンションの1フロアまるごととか、タコ部屋プレハブ群まるごとに多数で入り込んでいるケースが見受けられた。これらのコミュニティには女性の調査員が単独ではまず近寄れない。そういった場合は指導員や、親族の男性を伴って調査に入っていくわけだが、それでも怖い。その上、言葉が通じない(ふりをしているのかもしれない)から、調査の内容が伝わったのかどうかも定かではないが、とにかく調査票を置いて、逃げるようにして帰ってくることになるそうだ。後日、またビビりながら受け取りに行くと4人程(調査票1枚)の記載はあるが、どう窺っても十数人はいそうに思える。でも、リーダーらしいルイス・ウルスアさんのようなオジサンが、外国語でまくしたてるので、仕方がないからそのまま受け取ってしまう。そんなケースが頻繁にあったそうだ。
 外国人だけじゃない。日本人だって、2階の和室で冷たくなっている祖父さんを、人数に入れて記載していた家が全国に五万とあった。
 こんな穴だらけの状況で、わずか20項目ばかりの国勢調査を650億円もかけて、市町村の負担まで含めれば1000億円もの調査事業をする意義があるのだろうか。
 それも調査結果は2年遅れである。そんな統計資料いらないよね。

 大正9年の国勢調査には意義があった。お上がまだ強い力を持っていたことと、プライバシーなどというチンケなものをひけらかす市民もいなかったことで、精度は極めて高かった。あれから90年、時代が大きく変わったにも関わらず、総務省統計局のやっていることは、大して進歩していない。90年1日の如く同じことを繰り返しているばかりである。
 総務省統計局は間違いなくいらない。