まだ続く選挙関連の話 その2

(上から続く)
 管理者は、オッサンを誘って投票が行われている部屋から出た。ワシャもあわてて二人を追う。二人は投票にやってくる人の邪魔にならないようにロビーの脇で話をしている。この頃には、オッサンも日本語を話すようになっており、内容がワシャにも理解できるようになっていた。その内容は「雨が降ると自宅周辺の側溝から水があふれるのでなんとかしろ」というものである。
 ワシャはその話を聴いて、カクンと膝が崩れた。そんな話は投票所でする話ではなかろう。改めて役所なり町内会事務所に相談に行けばよろしい。こういった的外れな宇宙人のお蔭で選挙事務がどれほど滞ることか。
 このオッサンが去って静かになったロビーで読書をしていると、20分もしないうちに次の阿呆がやってきた。
「☆▲◎×@■▽※●☆☆!」という大声が、投票所の方向から聞こえる。ワシャはニンマリしながら本をたたんで投票をやっている部屋に向かう。
 今度のオッサンの文句は、「俺に無断で投票所の場所を変えるとはなにごとだ」というものである。あ、そういえばこの投票所は、近所の小学校の体育館から、今回、この市民センターに変更されたんだった。近所の人たちは、お蔭で、涼しい環境で投票ができるとみんな喜んでいた。あちこちで投票所が変わるという情報が流されていたが、このオッサン、それらの情報に触れなかったのか、あるいは見たけれど忘れちまったのか。どちらにしても理不尽な怒りでしかない。
 こんなオッサンが全国にある投票所で大騒ぎしているんだろうなぁ。大騒ぎしながらも「谷亮子」なんて書いているんじゃないだろうか(笑)。