実践で役に立つ「日垣式」

 毎回そうなのだが、ジャーナリストの日垣隆さんのセミナーに参加すると、ボディブローのようにあとからじわじわと効いてくる。250人が会議室に缶詰になって、日垣さんの発言を一言一句聞き漏らすまいと集中しているんですぞ。鬼気迫るものがあるというか……。
 かつてコラムニストの勝谷誠彦さんは、日垣セミナーを「難関コースの予備校のよう」と評していたが、ホントにそんな感じなんですよ。
 舞台からは、日垣さんの講話に叩きのめされ、会場からは、250人(ほとんどがヘビー級の読書家)の熱気に炙られて、一日経った今も心地よい疲労感が残っている。

 今、ワシャの書斎(物置ともいう)は、日垣式のノウハウに満ち溢れている。とくに日垣さんの方式だけを真似してきたわけではない。いろいろな人の進める知的生活のノウハウを試してみたのだが、どうにもしっくりとくるものがなく、結果として日垣さんのやり方が一番合理的だったので残ったということだ。
 例えば、本を読むのに文字を邪魔しない小さな付箋を使う。それまでは、本の裏表紙にページを書きこんでいたのだが、いちいち読書を中断しなければならず、面倒だった。それが一気に解決した。もうミニ付箋を弄びながらじゃなければ本が読めまへん。
 あるいは常に使うレファレンス本を手近に置くということも日垣式だ。書斎の配置換えをして椅子を回転させるだけで、レファ本に手が届くようにしてからめちゃめちゃ調べものがラクになりましたぞ。
 それから単純なことだけれども気づかなかったことに、資料を床に置くというものがある。ワシャは今、3つの机にコの字型に囲まれているのだが、アル・ゴアの悪口を書こうとすると、いろいろな環境本や資料などをおっぴろげるから机の上はすぐに埋め尽くされ、資料の上に資料を重ねて何が何だか判らなくなることが多かった。しかし、今は日垣式の床直置き作戦で混乱することなく資料をおっぴろげている。

 それでね、今回のセミナーでも幾つものノウハウをいただいたのだが、その中に、すぐに実行しようと思うものがあったので、今日から始めることにする。
 それは、一日の仕事が終わったら、すべて机上から物品を片付けて、それぞれの在り場所に戻すということである。
 ワシャの3つの机の上には、点数にして200点ほどの物品が散乱し、堆積している。ワシャは毎日片付けなかったのでこういう状況になってしまった。
 よしっ!日垣式の実践を直ちにするのじゃ。