東京裁判トヨタ版 その1

 トヨタ自動車の大規模リコールを巡るアメリカ下院の公聴会が終わった。今年の秋に中間選挙を控えている議員たちのパフォーマンスショーでしかなかったね。それにしても豊田社長を大勢の下院議員がぐるりと囲んで吊るし上げる様子は、一方的に敗戦国を断罪した東京裁判を彷彿とさせましたなぁ。とりあえず豊田社長はよくがんばった。
 でもね、その後がいけない。現地法人の従業員たちとの対話集会のあいさつで、
公聴会で、私は一人ではありませんでした。あなた方や全米の同僚たちが……私と一緒にいてくれました」
 トップリーダーとしてこの発言はいい。多くの従業員が心を打たれただろう。しかし、従業員たちの前でベソをかいてはいけない。仮にも大トヨタの代表である。アメリカ下院で吊るし上げられたくらいで弱腰を見せるな。このあたりが豊田魔太郎くん、創業家世襲の甘さが出たか。8代目の社長の奥田硯だったら「蛙の面に小便」でびくともしなかっただろう。
 豊田章男社長の下には、膨大な数の豊田マン、その下請、孫請、曾孫請の従業員、その家族がぶら下がっている。それにトヨタ系の企業に支えられている自治体も入れれば中堅国家一国程度の規模を持っているかもしれない。その大統領が泣き言を言ってはいけない。毅然としろよ。
(下に続く)