キンドルと博打

 元旦の朝日新聞「第4部」に小飼弾さん
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E9%A3%BC%E5%BC%BE
が出ている。小飼さんは1日に15冊の本を読むそうだ。1ヶ月に450冊、年間5400冊の本を読む。生半可な数ではない。一昔前、立花隆さんが月に100冊を読むことで、トップランナーと呼ばれていたが、もう100冊/月ではトップに立てないということらしい。
 小飼さんは電子本の普及について、「かえって読む人と読まない人の格差は広がるのではないか」と言う。
 ううむ、ジャーナリストの日垣隆さんはすでに電子本を持っていた。確かに電子本は書庫を手軽に持ち歩く感覚になるから、読書家には垂涎のツールになるだろう。しかし、本を読まない人にはな〜んにも関係ない。通勤の風景として、電子本(キンドル
http://ja.wikipedia.org/wiki/Kindle
を広げて、何冊もの本を調べながら……というようなビジネスマンが増えるかもしれない。絶対にそうなる。そうなったら小飼さんの言うとおり本を読む人と読まない人の格差は大きくなっていくばかりだ。
 正月のテレビ番組は、どこをひねっても三流芸人が馬鹿騒ぎしているだけだった。ひどい番組になると毎週やっている番組に「2010年新春」と看板を掛けただけという手抜きなものまである。こんなものを見てゲラゲラ笑っていてはいけない。「正月だからいいじゃん」ではないのだ。勉強している人は正月だからといって手を抜かない。
 元日から賭博場のチラシが4枚も入っていた。「2010年1月は スーパー海物語in地中海を徹底強化」なんだそうな。こんなチラシに踊らされて元旦から博打をうっていてはいけない。騒音の中でキラキラピカピカ点滅するパチンコ台をぼーっと眺めていてどうする。脳が腐るぞ!成功を目指している人は、そんな間にも、「一年の計は元旦にあり」と平成22年の身の処し方を模索している。あるいは『日本の論点2010』(文藝春秋)を読み始めているかもしれない。格差はつけられるものではなく、自分がつけるものだと知るべきである。