元日点描

 実は元旦に書いたのだけれど、アップしそびれた。まだ松の内なのでお許しあれ。元日だと思って読んでね。

 午前3時に目が覚めてしまった。ま、いいや、起きちゃおう。階下に下りて書庫に入ると掃除が行き届いているので清々しい。とりあえず1年の計は元旦にありということで本を読もう。1年の最初はやはり司馬さんがいい。『春灯雑記』(朝日新聞社)を引っ張り出してきて読む読む。
 その後、サクサクと日記を書き5時頃には大雑把なものが出来た。お茶をいれて一息をつき、新聞を取りに庭に出る。そんなに寒くない。見上げれば、天の高いところに寝待の月が掛かっている。間もなく平成25年の最初の夜明けだ。
 ポストから分厚いだけの元旦の新聞を引っ張り出し、それを抱えて家の中にもどる。夕べは酒を飲んでいて、年越しそばを1本しか食べていなかったので、あらためて、新年の朝に年越しそばを食す。まだ暗いので朝食という感じはない。テレビをつけると「朝まで生テレビ」をやっている。まだやっていたのか、懐かしいなぁ。そばを食って体が温まったせいと、田原さんたち論客の話が退屈だったので、炬燵でコトリと寝てしまった。
 眼を覚ませば夜が明けていた。東の窓からお天道様に柏手を打って、今年の武運長久(なんのこっちゃ)を祈る。東海地方は快晴である。遠く中央アルプス御嶽山などがはっきりと望める。いい年になりそうな、そんな予感を誘う好天だった。
 午前中に近くに曹洞宗の寺があるので初詣をさっさと済ます。昼は雑煮をいただく。午後から挨拶回りを2か所。その後に、本屋さんへ年始の挨拶に出かける。いつもの駅前の本屋さんは、三が日はお休みだ。だから郊外にある大手チェーンの書店に挨拶に行こう。でもね、元旦休みということもあるので、もちろんネットで調べましたがな。
http://www.shobunkanshoten.co.jp/chiryuten.php
 一番上のところに、「10:00AM〜10:00PM営業」のうしろに「年中無休」ってあるでしょ。よっしゃぁ。元気なワルシャワは、隣町にも関わらず自転車でむかったのである。

 ポテチン。休みだった。

 おいおい、ホームページに書いてあることと違っているじゃないか。寒風の中をはるばるやって来たのに……。でも、めげないのである。ここがダメなら次に行けばいいだけのことで、ワシャはその足で北にむかった。
 もう1軒、郊外型の書店があって、そこはビデオ屋とくっついているので「もしかしたら」と思い寒風の中を自転車で走る。
 おおお、こっちはやっておりましたぞ。買い初めにとっておいた『日本仏像史』(美術出版社)。この店にあってよかった。磯田道史『歴史の愉しみ方』(中公新書)、齋藤孝『10分あれば書店に行きなさい』(メディアファクトリー新書)、田中久美子『地獄百景』(ベスト新書)、広瀬和生『噺家のはなし』(小学館)、平岡正明立川談志と落語の想像力』(七つ守り書館)をカゴに入れる。冊数を数えてみると……6冊か。新年だから7冊にしておきたいなぁ。
 こんな時に役に立つのが、岩波文庫の棚だ。そこに行けばなにかしらの本があるからね。そこで、木下真弘『維新旧幕比較論』(岩波文庫)を選び、合計7冊とした。しめて9899円也、縁起物ですからピンピンの1万円札をレジカウンターに置く。寅さんばりに「釣りはいらねぇよ」と言いたかったが、101円ではなんなので押し頂いて、カウンターの横にあった被災地募金の箱に「ほんの気持ちですが」と投入した。
 くどいようだけど一年の計は元旦にあるからね。

 寒風の中、本を抱えて家にもどったのだった。そこから読書読書……、いい一年になりそうだ。