鳥山明の環境パンフレット

 鳥山明の新作を読んだ。『おいしい島のウーさま』という作品である。
http://2030.jp/pamphlet/
 これです。この「バイオスフィア」という冊子に、鳥山さんの新作が載っていたというわけ。農業だけをしている田舎の島に都会から若者がまぎれこむ。定期便の空飛ぶトラックがやってくるまでの15日間を島で過ごす。そこで「農」の素晴らしさに目覚める、てな、短篇漫画である。表紙もいれて17ページの掌編だが、ふてぶてしいネコウサギの「カミサマのウーサマ」や、カエルの尾玉五十八(おたまいそはち)などかわいらしいキャラクターが登場していろいろな事件を巻き起こすんですな。

 その冊子の中に面白い情報があった。地球の直径を10mに縮小して考えてみようという企画だ。2階建ての家の高さがだいたい7mくらいだから、2階建ての一軒家よりも一回りほど大きい球体を想像してもらいたい。その地球で富士山の高さは3ミリ、地球を覆っている大気の厚さは8ミリなんだそうな。
 海の水はバケツで75杯とかなりの量がある。しかし淡水は2杯分しかなく、その内で水道水、農・工業用水に使えるのは45ccしかないそうだ。
 さて、そこでこの10mの地球に残されている石油の量はどの程度でしょう。
答えは「0.09cc」。ほんの一滴しか石油はない。この一滴を世界各国が奪いあって大騒ぎをしているわけやね。

 世界の指導者たちは、こういった現実をかなり昔から知っていた。知っているから、嘘八百と認識しながらも、地球温暖化CO2悪玉説をまことしやかに流布している。石油は一滴しかないのだから、別の燃料を確保しなければならない。その最右翼が原子力発電である。でもね、スリーマイルやチェルノブイリの事故なんかがあって、なかなか国民の理解を得られなかった。しかし、エネルギーは欲しい。石油はなくなる。原子力は恐い。でも原子力を使いたい。これを打破するのが、地球温暖化、CO2悪玉説で、世界じゅうの疑うことを知らない人々が踊らされているというわけなのじゃ。やれやれ。

 でも、鳥山明の漫画は面白いのだった。