楽しい読書会 その2

(上から続く)
 そうそうその酔っ払った議論の中で鳩山首相の奥さんの幸夫人が話題になった。「よく頑張っている」という意見もあったが、ワシャはああいうでしゃばりは嫌いだ。とくに年相応の格好をできない老女は見苦しくさえある。「週刊朝日」の10月9日号のグラビアに9月22日、米コネティカット州にあるニューヨーク日本人学校を訪れた時の写真が掲載されている。この時のファッションはとんでもない。激辛コメントはドン小西がつけているのであえて言わないが、四捨五入すれば古稀という婆さんが、往時の栄光に引きずられて若ぶった格好、ぶりっこの仕草をするのはかえって逆効果で醜い。おのれを客観的に見られないとこういう悲劇に陥るんだという典型的な姿である。
 今朝の新聞にunicefユニセフ)の広告が掲載されている。広告の見出しは《「遺産寄付」という、子どもたちに生きる力を贈る方法があります。》というもの。そこには、飢餓でやせ細った黒人の少年を苦悩の表情で抱く老女の写真が添えてあった。
 老女はオードリー・ヘップバーンである。彼女は64歳でその短い生涯を閉じている。写真を見るに、たぶん最晩年のものであろう。62歳、あるいは63歳くらいではないか。あの宝石のようなアン王女が黒っぽいポロシャツ姿で白髪頭をひっ詰めただけ、皺だらけの顔をノーメイクで晒して、それでも毅然と立っている。
 20代の女の子がするようなヘアースタイル、20代の女の子がするような化粧、とくに濃い口紅、ゴールドのジャケットを着てバルーンスカート履いた鳩山幸さんがカメラ目線で笑っている。
 かたややせ細った子どもを抱いて怒りの眼差しで遠くを見つめるヘップバーン。
 美しさも知性も子どもへの愛も、身を飾る虚飾をすべて取り払って自分の足だけで立っているアン王女の完勝である。
 幸夫人、鳩山首相とともにIOC総会に出席するためデンマークに向かっている。頼むから彼の国では控えめにしてでしゃばらないでくれ。恥ずかしいから。