美咲ちゃんが結婚してはいけない理由 その1

 日本では「パチンコ」というバクチが完全に市民権を得てしまっているので、あまり大きな声では言えないが、お隣の韓国では「パチンコ」が法律で禁止された。竹島を占領したり、対馬は自国のものだと言ったり、阿呆なことばかりする国かと思ったら、なかなか為政者は判断力があると言っていい。そのあたりの話は、若宮健『打ったらハマるパチンコの罠PART2』(社会批評社)に詳しいので、そちらを読んでね。
 そうそう、この本にパチンコ店経営者とタレントの神田うのとの結婚式について書いてある。
《〇七年一〇月八日、パチンコ屋の経営者が、六億円の結婚披露宴をニューオータニで行って、テレビ局が馬鹿騒ぎをして、元総理から警察官僚まで披露宴に出席した、あの馬鹿騒ぎを見て、この国に失望した。
六億円の中には、自己破産に追い込まれた人のお金や、一家離散に至った人のお金も含まれていたはずである。》
 パチンコの換金システムは姑息だ。姑息な手段を使って法の網を掻い潜ろうとも、どれほど屁理屈をこねようととも、パチンコは間違いなく博打である。政治家や警察が目をつぶり、下流の民衆からの支持を得たとしても、パチンコ屋はバクチ場の寺銭で儲けているヤクザと何ら変わりがないのである。したがって神田うのの6億円の披露宴も何億円だか知らないが結婚指輪もすべて悲惨な賭博常習者から巻き上げた「銭」によって購われているという若宮氏の論は正しい。
 人間は愚かな生き物である。骨を折らないで儲けることを覚えると真面目に働くのが馬鹿らしくなる。ギャンブル依存症の悲惨さは、真鍋昌平闇金ウシジマくん』(小学館ビッグコミックス)に赤裸々に書いてある。
 日本は刑法185条で賭博を禁じている。186条では常習賭博者は3年以下の懲役と決めている。サラ金に借金をして毎日毎日パチンコ屋に通う連中は、間違いなく常習賭博者なのに、どうして逮捕されないのかな。
 持統天皇3年というから1300年も昔のこと、宮中で官員たちが双六(唐から渡来したバクチ)に興じて仕事を怠けるということで「双六禁止令」が出されている。以降、為政者たちはバクチは人心を荒廃させるものとして禁じていた。それが今やバクチのCMが堂々とテレビで流されるご時世だ。嗚呼、已んぬる哉。
(下に続く)