石油ピーク

 今朝の朝日新聞に「世界の大油田、生産ピーク過ぎた」という見出しがあった。記事の内容は、《国際エネルギー機関(IEA)の研究者が「世界の大油田の原油生産はすでにピークを過ぎており、世界全体でも10年後にはピークを迎える」と分析している》というものだ。
 今更何を言っているのか。すでに東京大学名誉教授の石井吉徳さんは自身の著書『石油ピークが来た』(日刊工業新聞社)で「石油は2005年に生産のピークを迎え、すでに下降し始めている」と警鐘を鳴らしつづけてきた。二酸化炭素の微々たる増加など問題ではないのだ。資源の枯渇こそが、21世紀の人類に突きつけられた難題であり、そのことを最優先に議論をしなければいけないとしている。
 しかし、政府は、CO2の削減ばかりを声高に叫ぶだけで、資源の枯渇問題には見向きもしない。「高速道路1000円走りたい放題」など本来はするべきではなかったのだ。このところガソリン価格がじわりじわりと上がってきている。脱石油の社会をつくらないと大変なことになりまっせ。
 ちなみに石油に取って代わるような夢の新エネルギーなどない。メタンハイドレートなどEPR(エネルギー収支比率)
http://www.mottainaisociety.org/division_4/pdf/aboutEPR.pdf#search=
が低すぎて、使いモノにはならないし、全国で大騒ぎしている国策の太陽光発電でも火力発電所1基分の電力を集めるために、莫大な投資が必要となってくる。
 なにしろ手詰まりな状態であることは間違いなく、このまま無能な政府が手を拱いていれば、近い将来、昭和30年代の生活を余儀なくされることだけは覚悟しておいた方がいい。