たまには褒める

 今日の「天声人語」はまずまずの出来だった。運がよかったということもあるのだろう(笑)。

先月、衆院東京15区補選の最中のこと。「天声人語」氏が、江東区の飲食店で「つばさの党」の候補者らと出くわしたと書く。

《まだ1時間ほどは街頭演説できる時刻だった》

 ということは午後7時前後だな。とすると、候補者にとっては有権者と直に接触のできる大切な時間で、それを1時間も残して食事にするなんてことはありえない。一番の稼ぎ時なのである。この一事においても、「つばさの党」なるものが選挙活動を目的にしていないことが明白になった。このあたりの現実を全国紙の一面に載せた「天声人語」、やるじゃないか。

 その後もおもしろい。「つばさの党」の一団は、隣に朝日新聞の記者がいるとも知らず、普段の顔を丸出しにしている。楽しい食事の場、スマホで他陣営を妨害した自分たちの動画を確認している。

《「すげー、爆ビューですね」と閲覧数の多さを喜ぶ。一人が「でも明日は、まともに活動しませんか」。一瞬、場が凍った。》

天声人語」氏、ちゃんと見ているね。それでこそプロだ。「つばさの党」の若い衆の中に、自分たちの行動がまともではないことを知っている者もいた。そのことが伝わってくる。この後に「幹部逮捕」について触れ、こう続ける。

《党代表は、逮捕前に「表現の自由」の中でやっていると述べていた。ちゃんちゃらおかしい。》

 なかなか全国紙の1面コラムで「ちゃんちゃらおかしい」とは書けませんぞ。この編集委員、なかなかやるのう。

 ただね、おもしろかったのはここらまでで、コラムの終盤にかけては平凡なものになってしまった。「やじ」に対して0か100かではなく、「良識」もってやろうね・・・と結んでいる。そんなことは「天声人語」をわざわざ読むくらいの日本人なら理解してるって。というか、昨日の逮捕の第一報以来、SNSで多数の人がそう言っている。

天声人語」氏よ、「良識」などという曖昧なもので解決できるわけなかろう。天下の朝日新聞1面コラムなら、もっと具体的な方法を示せよ。

 例えば「やじ」の「音量」とか「継続性」とかの制限、あるいは「名誉棄損発言」の尺度を決めるとか。

 う~む、結びの甘さ、平凡さで65点。これは大サービスですぞ(笑)。