UBUDASのその後

「UBUDAS」は「うぶだす」と読む。2006年に発刊された自民党1年生議員83会の代議士名鑑のタイトルである。小泉純一郎の口車に乗せられて、有為転変の4年間を過ごしたひよっこ代議士のうち何人を覚えていますか?

 杉村太蔵くんは他者に翻弄され続けた4年間だった。小泉にいいよう使われ、武部に持ち上げられたり切り捨てられたり、マスコミも囃してみたりくさしてみたり……杉村くんは若いからその都度右往左往して本人にとっては悲劇なんだが、傍から見れば喜劇としか言いようのないピエロを演じ続けた。使われるだけ使われて、次の総選挙は地元の北海道1区から立候補しようと野心を見せるが、公認は、別の優秀な若者に掻っ攫われるという体たらく。でもね、まだ若いのでこれを人生の肥やしとして、国民に迷惑をかけることのない別の世界で頑張って欲しい。

 岐阜1区で野田聖子とがっぷり四つに組まされた佐藤ゆかりたんも哀れだ。小泉に刺客として押し出されたものの、安倍総理の時に野田ら郵政造反組が許されて党に戻ってくる。そうなったら野田の存在感に居場所がありまへん。岐阜1区からは早々に立退きを言い渡されて、江戸時代でもあるまいに国替えの悲哀を味わうことになる。それでも東京5区公認をもらえるのだから杉村くんよりはマシか。

 お料理おばさんの藤野真紀子という人もいた。でも、この人の政治活動はほとんど聞こえてこない。最後の消息は料理の講義をするために国会を休んでいたことぐらいか。箸にも棒にもかからない、なんでこんなのが国会議員になんぞなっちまったんだろうね。こういう人材が人罪なわけで、4年間、国の金をただ食いつぶすためだけに国会に存在したとしか言いようがない。
 
 昨日の夕方のテレビで、愛知6区世襲議員丹羽秀樹ちゃんの動向が流された。どうやら選挙区を走りまわっているようだ。秀樹ちゃんは「UBUDAS」のアンケートにこう答えている。感銘を受けた本は『島津奔る』、好きなマンガは横山光輝の『三国志』なりたい職業は「総理大臣」だとさ。
 走りまわる秀樹ちゃんの映像に続いて、後援者の爺様が「世襲についてどう思うか」という質問に答えていた。
世襲であろうとなかろうと、国のためにがんばってくれる人だから応援する」
と断言する。本当にそう思っているのだろうか。このあたりの小粒な人材がこの国の明日を築いていけると盲信しているとするなら、この国の衰退を招いた主要因は私たち有権者にこそあると言わざるをえない。