嗚呼、静岡人

 下の下の日記を書くためにいろいろな文献を漁っていたら面白い事実を発見した。

 先日、論語塾の帰りに伏見のドトールでこんな話をした。少しフィクションが挟まっているが、会話に参加された3人の方はご容赦願いたい。
ワルシャワ「静岡という土地柄はものなりがとてもいいところですね。温暖で労せずに食っていくことができる。だから、強い兵が育たないところですな」
 同席をしているHZさんが静岡県人だったので、そんな話題になった。
ワ「戦国時代、尾張兵とか駿河兵というのは弱かった。反対に環境の劣悪な三河兵は強かったと言われています。そのころの三河は人の数より猿の数が多いと言われるほどの未開の山国で、家康の祖を排出した松平郷なども山深いところでした。実際に近年まで松平では人が猿と共に森の中を走りまわっていました。嘘です」
ワ「だいたい三河兵1人に対して尾張駿河の兵は3人で釣り合ったといわれていました。これは本当です」
ワ「近代に入って日本が徴兵制を敷いて国民から兵を募りました。全国に師団ができたのですが、やはり強かったのは厳しい自然環境のところ、例えば東北とか北陸の兵が強かったんですね」
ワ「東北の第二師団は強かった。初陣は日清戦争の威海衛攻略戦、日露では九連城攻撃、遼陽会戦、奉天会戦などに従軍し、目覚しい戦果を挙げています」
ワ「旭川師団、弘前師団、北陸師団って強そうでしょ。だけど、京都どすえ師団とか大阪だっせ師団とか名古屋ミャーミャー師団ってなんだかヘボそうじゃないですか」
ワ「えーっと、何を言いたいかと申しますと、要するに経済的に恵まれている土地の兵隊は弱いということなんですな。だから、兵士の強弱ということだけで言えば、北朝鮮兵は強いでしょうね。それに比べて日本の自衛隊の兵隊は弱いと思います」

 長くなってしまったがそんな話をきっちゃ店でしていたのじゃ。隣りでは若いネーチャンがミーハーな話をしているのだが、こっちゃではオジさんたちが額を寄せて、「幕藩体制」「北陸師団」「北朝鮮」などと妖しげな話をしている。端から見れば異様な光景に違いない。
 さて、冒頭の「面白い事実」ってやつですが、幕末の京都で活躍した刺客集団の新選組に関することなんですね。いわゆる佐幕色の強かった関西、東海以東で唯一、新選組隊士を排出していないのが静岡県なんですね。神君家康公と最も縁の深い土地柄にも関わらず矯激な佐幕集団だった新選組に参画する者は一人もいなかった。いかにも静岡らしいと思ったのだっだ。