(続)お前はタリバンか?(プロトポルフィリン症)

 ワシャの本棚に、西山茂夫『皮膚科の病名由来ア・ラ・カルト』(協和企画通信)、の1巻、2巻がある。それを調べたのだが「プロトポルフィリン症」という病名は載っていなかった。『保険請求のための検査・疾病早見表』(サンライズ)は4,800円もしたが、この本にも載っていない。もちろん『広辞苑第六版』にはなかったし、『すぐに役に立つ家庭の医学』(ユアサグループ健康保険組合)にも記載はない。
 ネットで調べてようやくこの病気が紫外線に対しての過敏症であることが解った。大変な病気なんでしょうね。でも、この病気のことを熟知している人間がどれだけいるだろうか。

 昨日、愛煙家の田丸美寿々がキャスターをつとめるTBSの「報道特集NEXT」で、「プロとポルフィリン症」の高校生が警官に「お前はタリバンか?」と声を掛けられたこと
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20090307-468292.html
を大きく取りあげていた。先週の日曜日の日記にも書いたけど、
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20090308
 見とがめられた少年は、自転車の二人乗りしていたという。異様な格好をした人間が違法行為をはたらいていれば、おまわりさんに止められて当然だ。警官が声を掛けずに見過ごす方が問題だわさ。少年は、世間に同情を求める前に、まず自身の行動を律しなければいけなかった。でも、子どもだから仕方がない。友だちとふざけてついつい二人乗りをしてしまった、ということもあるだろう。
 そして、おまわりさんは「お前はタリバンか?」と発言する。この段階で彼は「プロトポルフィリン症」のことなどまったく知らない。それは当然だ。警官なら知っていてあたりまえのわけがないだろう。病気のことを知らない人間にとってみれば、頭から黒い頭巾を被っている黒ずくめの男、それも二人乗りをしていれば、まともに見えるわけがない。それに「お前はタリバンか?」というのは、病気についての揶揄ではない。その見た目の格好に対しての率直な疑問だろう。その程度のことが、県議会で取り上げられ本部長が陳謝するほどのことだろうか。
 田バコ美寿々の番組で、高校生の母親が泣いて訴えている映像が流れた。そもそも今回の「こと」がそれほど大げさなことだろうか。病気だから、泣いて訴えているから、テレビで大きく取り上げられたから、それが「正義」なんだと鵜呑みにすることだけは止めたほうがいい。