評論家の呉智英さんが「SAPIO」の3月31日号に寄稿しておられる。テーマは「バカがつける子供の名前」だ。
呉さんは、暴走族が使う「仏恥義理(ぶっちぎり)」や「夜露死苦(よろしく)」などと同根で、漢字の意味を知らず、読みにくく、何の意図も込められていない名前を「暴走万葉仮名」と命名した。その上で、「華海(かの)」「雄斗(ゆうと)」「腥羅(せいら)」など奇妙奇天烈な名前をつける親は、そもそも言葉の意味、漢字の意味がわかっていないと指摘する。
一例として、明石家さんまの娘の「いまる」を俎上に上げる。さんまは「生きているだけで丸もうけ」という意味をこめたと言っているが、呉さんは「すわり小便」のことであるとばっさり斬り捨てている。
『まれに見るバカ』(洋泉社新書)の著者、勢古浩爾さんもこう言っている。
《萌生、ほの花、明里、樺乃、夏乃、夏月葉、美海、知来、みら、笑璃、愛蓮、夏萌、美玖、琴乃、香音、歌音、いろは、絢名、優香。何なんだこれは?キャバクラか?》
確かにキャバクラのようでもあるし(行ったことはないですが)、呉さんの言う「暴走万葉仮名」でもある。「樺乃」は、ワシャには「かばの」としか読めないし、「笑璃」は「わらる」か、あるいは「しょうる」だろうか。
金原克範『〈子〉のつく名前の女の子は頭がいい』(洋泉社新書)では《女の子に〈子〉のつく名前をつける家庭は保守的であり、〈子〉のつかない名前をつける家庭は革新的》としながら、《入試水準の高い高校では〈子〉のつく名前が多く、入試水準の低い高校では〈子〉のつく名前が少ない》と断言している。金原さんは統計や調査に基づいて発言されているので、かなり説得力がある。これは呉さんにも、勢古さんにも共通する認識だ。
ちなみにワシャも過去に名前について書いていた。参考までに(参考にはならないけど)載せておく。
智深について
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20100111
幸満について
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20080923
建瑠、夏緯について
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20040225
なお、冒頭で紹介した「SAPIO」の呉さんのレポートは一読の価値がありますぞ。