昨日、帰宅後に書庫の中で泳いでいたら、貝塚茂樹(次男)の本が何冊か見つかった。『諸子百家』(岩波新書)、『孔子』(岩波新書)、『世界の名著3』(中央公論社)がありましたぞ。
湯川秀樹(三男)の本もあった。『素粒子』(岩波新書)、『物理の世界』(講談社新書)、変わったところで『平和時代を創造するために』(岩波新書)という共著もある。核兵器の廃絶を訴えた1962年の科学者京都会議の活動をベースにまとめたものだ。この中で湯川や朝永振一郎が必死に平和を説いたが、人類は湯川や朝永ほど利口ではなかった。今や世界じゅうに核は拡散し人々を脅かし続けている。
ありゃま、小川環樹(四男)の本も見つけた。『老子』(中公文庫)である。解説にこんな文章があった。
《『老子』という書物およびその著者であるべき老子とよばれた人物、どちらも深い霧に包まれた謎である。》
6つ年上の茂樹兄ちゃんも『諸子百家』のはしがきにこんな文章を書いている。
《道家の開祖である老子にいたっては、諸説紛々として、まるで濃霧のなかに閉ざされているようで、実在の人物かどうかさえ明らかでない。》
どうやら環樹くんは、茂樹兄ちゃんの影響を強く受けたようだね。
残念ながら茂樹の息子の啓明の著作は見当たらなかった。因みに啓明とはあけの明星、金星のこと。