賛否 その2

(上から読んでね)
 環境庁地域環境部長だった加藤さんはスーパーでレジ袋を断わる人が増えたことに関してこう言っている。
《日本も市民社会の入り口にたどりついた》
《市民に「環境力」が備わりつつある》
 そしてこう続ける。
《異常気象による水害や災害が顕在化して温暖化の脅威が現実のものとなり、実感できるようになった。》
 ああ環境原理主義者でしたか。加藤さん、1200字程度の短い文章の中に「市民」という単語を10回も使っている。市民を多用するというのが原理主義者の典型的なやり口だ。もちろん養老さん、中野さんの文章には「市民」など一度も出てこない。お二人が暴走するエコブームに疑問を持っているのと対照的に加藤さんは手放しで大歓迎している。環境でめしを食っている(食いものにしている)人と、そうでない人との差が明確に紙面に浮き掘りになっていて面白かった。