盲亀浮木

 ほらほら、もう前言をひるがえしてきた。
 中国は世界の国、軍からの支援を受け入れると公言しながら、人民解放軍サイドからの反発を押さえきれなかったんだろうね。
「軍靴を履いた日本人を中国に入れることは絶対に不可能だ」「民間機で十分だ」「援助隊と自衛隊は性格が違う」「絶対に許さない」「領空で日本の軍機は見たくない」「中国には強大な軍があるのに自衛隊が必要か」などなどの意見が噴出しているんだとさ。
 軍靴がいけないなら搭乗する自衛官にはスニーカーを履かせよう。民間機で十分かどうかは日本が判断することだ。自衛隊が援助すればそれが日本の援助隊なのだ。絶対に許さないって言っているお前は被災者じゃないだろう。被災者の皆さんはテントや食料を運んでくる日本の軍機を見たいはずだ。中国の強大な軍隊がものの役に立たないから世界各国の軍に救援を求めているんではないのか?
人民解放軍を含めた対日強硬派が国民の底流に流れる反日感情を利用し、自衛隊機派遣案をつぶす動きに出ている。》ということだが、ここが中国のだめなところだね。こういったあやをつけてくる輩は、何の被害も受けていない北京や上海などでぬくぬくと日々を送っている連中なのだ。
 冷静になって考えよう。今、四川に対してどういった手を打てば何百万人という被災者を救援することになるのか、ということを。
 韓国やアメリカの軍用機は受け入れている。しかし、自衛隊だけは中国の土地を踏ませない、というのでは筋が通るまい。63年の時を費やしても、未曾有の大災害に直面しても「絶対にあの時のことは忘れない!」というかたくなな態度を示されては、これではどれだけ謝罪しようが、支援しようが100年立っても1000年たっても友好関係なんて構築できないじゃないか。

 今、中国政府がすべきことは被災者の救援活動なのだ。内外に対してそのことを明確に示してこそ、日中首脳会談での胡錦濤主席の笑顔が真実だったと日本人は知るだろう。100年に一度あるかないかの好機である。千載一遇のチャンスを逃してはいけない。